【保育園・幼稚園の人事担当者必見!】保育士が伝え方ひとつで人間関係を円滑にするポイント

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目次

はじめに

幼保施設では、日々子どもたちの保育について職員間でコミュニケーションが取られています。

職員会議や、ちょっとした休憩室の一コマでも、保育についての話題が出る中で、自分の意見が中々言えなかったり、思わずヒートアップしてしまうことも。

自分の伝え方や、議論の際の心構えを知らないと、せっかく子どもたちに対して情熱を持って接している仲間のはずが、一気に人間関係を悪くしてしまいかねません

この記事では、保育園・幼稚園での人間関係をスムーズにするコミュニケーションの方法についてお伝えします。

特に経営陣や園長、主任などマネジメントの役割を持っている方は、このコミュニケーションを身につけておくことで、大量離職などのリスクを減らせるというメリットもあります。ぜひ参考にしてみてください。

保育士の悩みのTOPは人間関係

厚生労働省をはじめ、様々なところで行われている調査でも、保育士の退職理由の上位には人間関係の悩みがランクインしています。

上司との関係、同僚との関係、ペアを組んだ先生、など、SNSにも先生たちの悩みの声が。

内容から、少しの違和感の積み重ねが、やがて大きな人間関係の問題に発展しているのが分かります。

例えば、

・上司からこんなことを言われた
・正論だけど、その言い方はないよね
・わざわざ他の先生たちがいる所で言わなくても

役職のある先生なら

・あからさまにやる気ない態度で返事をされた
・注意しても無視された
・園長から理不尽に怒られた

など。

もしこれが、心構えと伝え方でスムーズになったらどうでしょうか?

保育士が伝え方で悩む場面

基本的に幼保施設は人と人とのコミュニケーションが多い職場。
保育でも、製作でもチームで話し合う場面がかなりあります。

具体的にどのような場面で伝え方に悩むのでしょうか。

・自分の気持ちを率直に伝える(例:面談など)
・自分の考えをきちんと伝えることは難しい、しんどい(例:職員会議など)
・言いすぎてしまった(例:後輩や部下に対して)
・もっとはっきりと言えたら(例:保護者さんに対して)
・上手に断れるようになりたい(例:保護者さんに対して)
・攻撃的な言い方をやめたい(例:都合の悪い時、機嫌の悪い時、正しさを主張する時)
・自信をもって人と接することができるようになりたい(例:性格的に)

などの例が挙げられます。(みなさんも一度はご経験があるかもしれません。)

このような場面でどういうコミュニケーションを取れば良いのでしょうか。
以下にご紹介していきます。

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人間関係を円滑にするコミュニケーション方法

幼保施設の人間関係を円滑にするために、この記事でご紹介するのは

「アサーティブコミュニケーション」

という方法です。

アサーティブコミュニケーションとは

アサーティブ・コミュニケーションとは、相手を尊重しながら自分の意見や要望を伝えるコミュニケーションスキルの一つです。

このコミュニケーションを身につけることで、人間関係を円滑にすることができます。

アサーティブコミュニケーション以外のコミュニケーションタイプ

アサーティブなコミュニケーション以外のタイプでよくあるタイプを3つ紹介します。
いずれかのタイプは実際に見たことがあるかもしれません。

受動的、受け身なタイプ

受け身なタイプの特徴は、対立を恐れ自分の意見をはっきり主張しない点。また、立場や権威に従ってしまうタイプでもあります。

そして、相手(や立場)に気を使うあまり、自分の気持ちや感情を抑え込み、不満を抱えストレスを溜めてしまうことも。

相手の気持ちを尊重しているように見えて、その本質は「自分が嫌われないように」「傷つかないように」という自己防衛的な自己中心性が根底にあります。

攻撃的なタイプ

攻撃的なタイプの特徴は、自分の気持ちや意見を一方的に伝える点。

言いたいことをストレートに主張するタイプで、相手の気持ちや相手に対する思いやりに欠けてしまう傾向があります。

特に、「正しさ」がついてくると、相手としては怒りの感情を覚えるか、黙るしかなくなります。関わってもどうせ話を聞かないか、強く返ってくるので関わらないでおこう、とされてしまいます。

作為的なタイプ

作為的なタイプの特徴は、遠回しに自分の考えを伝えようとする点にあります。

特に、「みんなが〜」「常識では〜」など、回りくどい伝え方や、言葉ではなく露骨な態度で相手に自分の気持ちを伝えようとします。

直接的な主張ではないので、衝突することはないですが、相手は嫌味に感じて、「接しにくい人」という印象をもたれてしまいます。

アサーティブな伝え方の4つポイント

コミュニケーションを取る中で相手と向き合うには、4つのポイントがあります。「率直」「対等」「誠実」「自己責任」の4つ。

このポイントをしっかり理解すると、自然とアサーティブなコミュニケーションを身につけることができます。

ポイント1:率直であること

自分の気持ちや意見を隠さずストレートに言うことが大切です。
第三者の意見を加えたり遠回しな表現をすると、相手に伝わりにくくなってしまいます。
この時、できるだけポジティブな表現を選ぶようにしてください。

アイ(I)メッセージという言葉があるように、主語は基本的に「私」を使いましょう。

相手に伝わりやすい言葉で、「私はこう思っています」と正直に主張することがポイントです。ただし、相手の意見も尊重することは前提として持っておいてください。

ポイント2:対等であること

相手と対等な立場で意見を伝え合うことは、良好な関係を築くためにも重要です。
どちらか一方が優位に立ってしまうとアサーティブなコミュニケーションは実現しません。

あなたはあなた、私は私、というお互いを尊重することが大切。卑屈になるわけでもなく、上から目線でもなく、態度でも心の中でも対等に向き合うことがポイントです。

ポイント3:誠実であること

自分に対しても相手に対しても、誠実さを持つことが大切です。

・自分の心を隠したり押さえ込む
・自分の意見を押し通そうと逆に威圧する
・相手に対して嘘をつく

のではなく、正直に今の状態を伝えること。
誠意ある態度でコミュニケーションを取ることを心掛けます。

ポイント4:責任ある態度

コミュニケーションは、自分と相手がいないと成立しないものです。したがって、コミュニケーションがうまくいかなかった責任も自分と相手双方に対等に存在します。

どのような結果が起きてしまっても、自分が言ったこと、あるいは言わなかったことに対しての責任は自分にあるという自覚が大切です。

仮にうまくいかなかったとしても、このコミュニケーション1度で終わりだと考えず、解決のためにどうすればよいかを考えて、粘り強く関わっていくことが重要です。

では、具体的にはどうすればよいのでしょうか。

コミュニケーションでの実践的な伝え方

アサーティブコミュニケーションを実現するには、状況に応じて、段階的に自己主張を使い分けることがポイントです。

このコミュニケーションスキルをDESC法といいます。

・描写(Describe)
・表現(Explain)
・提案(Specify)
・選択(Choose)

の頭文字を取ったものです。

状況に応じて、柔らかい主張や強めの主張など、使い分けることができれば、相手との良好なコミュニケーションに役立ちます。

描写:事実を伝える

できるだけ事実を客観的に伝えます。感情や思い込み、推測などを入れずに伝えることが重要です。数字などのデータを伝えてもよいでしょう。

表現:私を主語に伝える

事実に対して感じたことや主観的な気持ちを表現します。ここでのポイントは、「私」を主語にすること。

第三者の意見を入れると、話がそれてしまったり、回りくどくなってしまいます。すると、率直であったり、誠実であるというポイントからもズレてしまう可能性があります。

自分の意見として「私はこう考えています」「私はこう感じました」と伝えましょう。感情的に相手を責めるのではなく、事実に基づいて、理性的に伝えることが重要です。

提案:あくまで提案

具体的かつ現実的に実行可能な解決策や、相手に求めていることを提案します。

これはあくまでも「提案」だという認識が重要です。自分の意見を押し付けることや、上から目線で命令、指示するような伝え方にならないように気を付けましょう。

選択:断られることも想定する。

相手が提案を受け入れないことも当然あります。ここで、良好なコミュニケーションを求めているあなたは、相手の意見も尊重できるはずです。

そして、次にどうするか、を考え、代替案を提示するなどの行動を選択します。

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幼保施設でのケース

園長先生や主任など、先輩から後輩へ

特に経営陣や役職を持っているのであれば、部下や後輩への接し方は非常に重要です。
モチベーションが上がれば、生産性の向上に繋がり、伝え方に気を付けることでハラスメントの予防にも繋がります。

一例をみてみましょう。

NG例今度の遠足の企画書、数字のところが間違ってます。ちゃんとやってください。

OK例
事実遠足の企画書なんだけど、数字のところが少し間違っていました。
表現忙しい中で仕上げてくれて(私は)感謝しています。ただ、細かいミスはもったいないので、
提案提出前に1度見直してみませんか?見直す時は一緒に見るので、相談してくださいね。

ここまで丁寧にできないかもしれませんが、まずはこの気持ちを持っているだけでも、伝え方が変わるかもしれません。

コミュニケーションの一つとして、面談の方法も解説していますので、こちらも参考にしてみてください。

コミュニケーションが変わると

アサーティブコミュニケーションを身につけて、考え方や前提が変わると、自分の意見と自分自身のパーソナリティを分けて考えられるようになります。

そうすれば、チームの心理的安全性が高まって、人間関係がスムーズになり、生産性も向上します。

先生たちの定着率もあがり、採用で悩むことも少なくなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

幼保施設のコミュニケーションを改善することは一朝一夕には難しいですが、まずは意識から変えてみることで、少しずつ変化を体感してみてください。

保育のカタチでは、採用のお手伝いだけでなく、幼保施設の人間関係をスムーズに行うための研修もご用意しています。

園の人間関係を改善したいと考えている経営者の方や、マネジメントを担当している方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

株式会社シェンゲン執行役員、人事責任者
「保育のカタチ」事業責任者、採用支援コンサルタント

前職ではリクルートの代理店にて、7年間1,000社以上の採用支援を担当。シェンゲン入社後は、幼保業界の「人」に関する問題解決に特化した専門家集団「保育のカタチ」を立ち上げ、事業責任者として従事。

保育園の統括マネージャーとして運営にかかわりつつ、保育士転職サービスでのキャリアサポートや、保育園への採用コンサルタントも行う。

採用活動を内製化する伴走型の採用支援や保育士向けの研修、紹介予定派遣などのサービスを公共機関や幼保施設の運営法人に向けて提供中。祖母、母、妹が保育士という保育士一家で育った。

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