保育園でのお昼寝時間は、子どもたちの健やかな成長と発達をサポートするために欠かせないひとときです。そんなお昼寝ですが、どのような狙いを持ってやれば良いか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、お昼寝の具体的なねらいや重要性を解説します。また、おすすめのお昼寝時間や、スムーズに寝かしつけるためのコツも紹介します。
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引用元:保育のカタチ
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保育園におけるお昼寝のねらい
保育園での1日を通じて、子どもたちには多くの活動が用意されています。その中でも、お昼寝の時間は非常に重要な活動の1つです。お昼寝は、生活サイクルを構築することがねらいです。
お昼寝には子どもの成長や健康に対する多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。ここからは、保育園におけるお昼寝のメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
お昼寝のメリット
お昼寝は、成長ホルモンの分泌を助けます。成長ホルモンは、体の成長や修復、代謝の調整に重要な役割を果たします。幼児期は成長が著しい時期であるため、十分な睡眠を確保することが必要です。
お昼寝は、子どもたちの心身の成長にとって欠かせない大切な時間です。昼寝を通じて、成長ホルモンの分泌や集中力、情緒の安定、免疫力向上などの多くの効果が期待できます。
お昼寝のデメリット
すべての子どもが同じようにお昼寝を必要とするわけではありません。
一部の子どもは短い仮眠で十分な場合もあれば、より長い休息が必要な場合もあります。無理にお昼寝をさせることで、逆にストレスを感じる子どももいます。そのため、個々のニーズに合わせた柔軟な対応が求められます。
【年齢別】最適な保育園のお昼寝の時間帯
ここからは、年齢別に最適な保育園のお昼寝の時間帯を紹介します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
0歳児
0歳児については、2~4時間のお昼寝が理想とされています。月齢によって異なるお昼寝の時間が必要となるため、朝寝や夕寝を加えて全体的なお昼寝時間を調整することも検討しましょう。
保育園への登園時間にもよりますが、正午ころに約2時間のお昼寝時間を設けることが一般的です。生後6ヶ月未満の赤ちゃんには1時間ずつの朝寝と夕寝を、6ヶ月を過ぎた場合は夕寝をなくし、朝寝も30分程度に減らすといったように調整するのが良いでしょう。
1歳児・2歳児
1歳児は、午前中に設けていた朝寝は不要となり、午後の1時間半から2時間半のお昼寝が最適とされています。正午ころにまとめて長いお昼寝を確保し、午後3時ごろに起こすことで、夜の睡眠のリズムに影響を与えにくくなります。
個々の子どもによって最適な時間は異なります。短い時間でも十分な子もいるため、個人差が大きいと年齢といえるでしょう。お昼寝の時間を厳密に決めるよりも、その子どもの体力や日中の活動状況、その日の状態に応じて生活リズムを整えることが重要です。
3歳児
3歳ごろになると、お昼寝に個人差が出てきます。お昼寝が必要ない子どもも増えてきますが、夕方に眠そうな様子が見られる場合は、1時間ほどのお昼寝時間を設けるのが理想です。
小さい月齢から保育園に通っていた子どもと、3歳から保育園に通い始めた子どもでは、リズムの整え方に違いが見られるでしょう。布団に入ってもなかなか眠れない子や、お昼寝を嫌がる子どもには、無理にお昼寝を強制する必要はありません。
保育士は子どもが昼寝から起きた後にしっかりと覚醒しているかを確認しましょう。寝起きすぐに外遊びや文具を使った活動に入ると事故やけがのリスクが高まるので、十分に目を配り、余裕を持って活動に戻れるよう配慮してください。
4歳児・5歳児
4歳ごろになると、大部分の子ども(約80%)がお昼寝をせずに一日を過ごせるようになります。近年、年中や年長クラスではお昼寝時間を設けていない保育園も多くなっています。
その日の活動内容や子どもの状態、保護者の希望を考慮して、必要に応じて30分程度のお昼寝時間を調整すると良いでしょう。
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保育園のお昼寝で園児を寝かしつけるコツ
お昼寝は、保育園児の成長と健康にとって非常に重要な時間です。しかし、すべての子どもがスムーズに眠りにつけるわけではありません。ここでは、保育園で園児をお昼寝させるための効果的な方法を紹介します。
背中をトントンする
子どもは背中を優しくトントンされると安心し、眠りに入りやすくなります。リズミカルな動きで、一定のテンポを保つことがポイントです。背中をトントンすることで、心地良いリズムが脳に伝わり、リラックスして眠りに入りやすくなるでしょう。
音楽を流す・子守唄を歌う
室内があまりにも静かだと、隣の部屋や廊下にいる子どもたちの声が気になってしまうことがあります。完全な静寂にしないためには、音楽を流したり子守唄を歌ったりするのが良いでしょう。
音楽は心を落ち着かせる効果があるため、クラシック音楽や自然音のような穏やかな音楽をかけ、子どもたちをリラックスさせ、眠りに導くのに効果的です。
また、子守唄を優しく歌うことも安心感を与えるため、子どもたちが眠りやすくなります。通常よりも穏やかな声で、ゆっくりとしたリズムで歌うようにしましょう。
添い寝をする
添い寝は、子どもに安心感を与えるのにおすすめの手段です。大人が横にいることで、子どもは安心し、安心感から眠りに落ちやすくなるといわれています。
ただし、保育園ではすべての園児と添い寝するのは難しいことも多いでしょう。そのため、特に寝付きにくい子どもに対して取り入れるのがおすすめです。また、添い寝する際は、体温が伝わるように寄り添う姿勢をとると、より安心感が増します。
抱っこをしたりおんぶをしたりする
抱っこやおんぶは赤ちゃんにとって非常に心地良い動作であり、すぐにリラックスして眠りに入る子も多いです。保育園では、昼寝に抵抗を示す園児に対してこの方法がおすすめです。抱っこをするときはゆっくりとしたリズムで揺れ動きましょう。
おんぶをする際は、抱っこ紐などを活用すると両手が自由になるため、保育士の負担を軽減できます。
お昼寝の注意点
お昼寝をする際は、注意すべき点がいくつかあります。ここでは、特に重要なポイントを3つ紹介します。
室温や明るさに気を付ける
保育園でのお昼寝において、室温や明るさは非常に重要です。適切な環境を整えることで、子どもたちが心地よく眠りにつきやすくなります。
快適な寝心地にするために、室温を28度前後に保つことが推奨されています。冬は適切な暖房を、夏は冷房や扇風機を使い、空気の循環を良くしましょう。過度に冷暖房をかけないようにして、自然な温度差を保つことが大切です。
完全に暗くすると見守りができないため、子どもの顔が視認できる程度に暗めにすることで、子どもたちは落ち着いて眠りやすくなります。カーテンや夜間用の小さな照明を利用するなどして、適切な明るさになるように工夫しましょう。
仰向けに寝かせる
お昼寝の際は、体勢も考慮しなければいけません。お昼寝中の子どもには窒息や乳幼児突然死症候群(SIDS)などのリスクがあるため、保育士は子どもの様子を定期的にチェックする必要があります。
乳幼児が予兆なく死亡するSIDSは、特にうつぶせ寝で発症しやすいため、お昼寝は仰向けにするのがおすすめです。また、定期的に5分から10分ごとに状態を確認し、顔色や呼吸、体温をチェックして必要に応じて記録しましょう。
定期的に園児の様子をチェックする
お昼寝中は、定期的に園児の様子を確認する必要があります。子どもたちが安全で安心して眠りにつけるよう、0歳児は5分に1回、1~2歳児は10分に1回ごとに呼吸や体勢をチェックしましょう。
体温が上がりすぎていないか、寝汗がひどくないかを見極めることも大切です。また、子どもが急に体調を崩した場合にはすぐに気づけるようにしておきましょう。
保育士の負担軽減にはセンサーの活用がおすすめ
午睡チェックセンサーには、園児に直接装着するタイプや布団の下に置くタイプなど、さまざまな形式があります。時間の管理だけでなく、子どもの姿勢や体温の変化をアラートで知らせる機能を備えているものもあり、危険を察知した際には保育士に通知することで事故を未然に防ぎます。特に、0歳児の寝返り時期には安心でしょう。
午睡チェックセンサーは保育士の負担軽減にもつながります。保育士は子どもの命を預かりながら他の多くの業務も行っているため、午睡チェックセンサーなどのICTシステムを導入することで業務負担を軽減できます。
保育園で活用できるICT技術については、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
保育園のお昼寝には、子どもの健全な成長と発達をサポートする重要な役割があります。おすすめのお昼寝時間は、年齢によって異なりますが、0歳から2歳児は約2~4時間、3歳以上は1.5~2.5時間が目安です。
お昼寝をうまく活用して、子どもたちに心身ともにリフレッシュしてもらい、午後も元気に活動してもらいましょう。
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