【保育園・幼稚園の採用担当者向け】理想の園づくりは採用から。幼保施設の採用ブランディングの基礎【戦略編】

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目次

はじめに

幼保施設の採用活動の現状は、売り手市場の状況です。言い換えれば、1人の求職者に対して、複数の施設が採用活動を行っている、という状況です。

この状況下では、求職者から選ばれるということが採用活動成功のキーポイントになります。

求職者から選ばれるために、幼保施設はどのように求職者に訴求をしていくのか、その一つの方法として、採用ブランディングという手法が注目されています。

この記事では、採用ブランディングによってスムーズに求職者を採用し、採用活動のゴールを達成するために必要なポイントをご紹介します。

採用ブランディングとは

採用ブランディングとは、仕事を探している学生や社会人に対して、「あの園で働きたい」「あの園のあの人と働きたい」という、自園で働くことに対してポジティブな印象を感じさせることを言います。

なぜ採用ブランディングが重要なのか

最初にも述べましたが、現在の採用市場は売り手市場です。優秀な人材や園に合った人材を獲得するためには、「この園の文化が合っているな」「この園に入って働きたいな」と強く感じてもらうことが必要です。

いまだに、雇う側が上位の「働かせてあげる」スタンスで採用を行っている幼保施設も存在しますが、このスタンスでは求める人材の確保は非常に難しくなります。

今後、少子化の影響により統廃合やM&Aで淘汰が進むと考えられている幼保施設において、園自体の存続に欠かせない要素は安定した人材の確保です。

そのための一つの要素が、学生や求職者に「この園で働きたい」と思ってもらう採用ブランディングです。

採用ブランディングは目的が重要

採用ブランディングを行うにあたって強く意識すべきポイントは、「目的」です。

「優秀な人材を採用したい」「良い人に働いて欲しい」ということも目的とは言えますが、より根源的な目的ではないでしょう。

採用活動そのものの目的、つまり、「園を変えたい」「幼保事業を成長させたい」「園の組織を変革させたい」「園の成長を通じて社会貢献したい」という大きなゴールを設定することで、ブランディングの成果はより高まります。

良い人を採用したいという目的のブランディングよりも、良い人を採用して社会の役に立ちたい、という園の方が、学生や求職者からの共感を得やすいと考えられます。

また、採用ブランディングについては、ある程度中長期のスパンで考えることで機能するものです。3〜5年ぐらいの期間で、自園の未来を考えて取り組むことで、より高い効果が得られます。

「今」だけではなく、「未来の園」を考えて必要な人材を考えていくことから、採用ブランディングがスタートします。

採用ブランディングの本質

採用ブランディングとは、自園で働くことに対してポジティブな印象を感じさせることです。

そのため、例えば商品を取り扱うような会社においての、商品ブランディングとは明確に異なります。

大きな会社が芸能人を活用して、良いデザイナーを起用して、大金をかけて作り込んだ商品ブランディングであれば、中小企業が勝負していくことは難しいかもしれません。

しかし、「働くこと」に関するブランディングであれば、努力次第で中小企業が大手に勝てる可能性もあります。

どうすれば求職者に「この園で働きたい」「唯一無二の園だ」と思ってもらえるのでしょうか。

例えばステータスや安定性、給与や福利厚生などの待遇、仕事内容や職場環境、与えられる役職やポジションなどのハード面の要素を伝えることも必要ですが、これだけでは「唯一無二」の園だと思ってもらうことは難しいでしょう。

このようなハードに対しては、競合が存在し、条件を比較されてしまうからです。

この状況では、真の採用ブランディングが完成されているとは言えません。

ハード面という目に見える要素だけではなく、園の文化や保育観、人が醸し出す「目に見えないもの」つまりソフト面と、求職者の働き方や生き方がマッチングした状態が、「この園で働きたい」と思ってもらえる状態です。

園のもつ唯一無二性を、求職者の生き方とシンクロさせることができれば、採用ブランディングは大きな効果を生み出すことができます。

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採用ブランディングの戦略、戦術、施策

具体的に採用ブランディングの戦略、戦術、施策についてご紹介していきます。

この3つの要素は一貫して設計することで機能します。

部分的に整合性が取れなければ、全てに影響が出るので、綿密に設計することが重要です。

設計の順序において大切なポイントは、戦略→戦術→施策の順番を守ること。

この順序が逆転し、手段から考えてしまっても、ぼやけて曖昧な運用になってしまったり、うまくいかなかった際に手段をコロコロと変えるだけで根本的な原因にたどり着かない、など、時間と工数を無駄にしてしまう可能性があります。

3つの戦略

戦略の部分には3つの要素があります。

この3つの要素を明確化した上で、しっかりと言語化することがポイントです。

この定義がしっかりできていると、土台が安定し、戦術と施策がブレずに採用ブランディングを行うことができます。

何のために採用するのか、目的を設定する

まず最初に、採用活動全体の目的を設定します。これは今年2人採用するとか、10年後に職員を30人にする、というような数字の目標ではなく、採用によって解決したい園や組織の課題です。

例えば、5年後にインターナショナル教育を実践するため、園の風土を挑戦的にするために新卒採用を始める、など、根源的な目的設定が重要です。

この目的は、採用活動の全ての中心として、かならず立ち返る原点になります。

目的設定の際に重要な視点として、園の中長期的な経営や事業計画の達成に繋がるものである必要がありますが、経営や事業計画をそのまま目的にするのではなく、その目的を達成するために必要な組織や人材の要素を盛り込んで設定する必要があります。

採用担当者は、経営陣と現場サイドについて深く知ることで、より熱のこもった思いを採用ブランディングに反映させることができるようになります。

経営会議に参加してみたり、役員にヒアリングをしてみたり、現場の担当から思いを聞いてみるというのも方法としておすすめです。

そうして得た情報や思いが、採用担当者に当事者意識を芽生えさせ、より活きた採用ブランディングにつながります。

求める人物像

先ほど設定した目的から、求める人物像を設定します。求める人物像の設定にあたって、活躍できる人物像を言語化することは重要です。

しかし、「採用しやすい人」や「競合とは違うゾーンの人」というところを最初に決めてしまうと、目的から逸脱してしまいます。

あくまで目的の達成を念頭に設定すること、また履歴書上で見られるような形式的な条件だけでなく、人物特性まで踏み込んで考えることもポイントです。

Must要件、Want要件に人物像を設定するための条件を細かく分類していくことで、より人物像が明確になっていきます。

人物像を絞り込んだら、具体的な1人の人間レベルまで具体化する、これをペルソナの作成といいます。

ペルソナを作成し、日常の行動まで想像力を働かせることで、訴求の際に伝えることがより明確になります。

何を伝えるか

上記の目的、人物像を設定した上で、何を伝えるかを設定します。

・園の事業
・仕事内容
・環境

という軸で自社の魅力を抽出することで整理しやすくなります。

できる限りピックアップしたものに、

・採用ターゲットが求めるか
・競合と差別化できるかどうか

という基準で優先順位をつけて、優先順位の高い項目からキーメッセージを決めます。

このメッセージは非常に大切で、一貫したコミュニケーションの担保と、ブレないメッセージを求職者にもスタッフにも伝えることができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は採用ブランディングの戦略についてご紹介しました。理想の園づくりのためには、欠員補充の採用ではなく、中長期的な視野を持った採用活動が重要です。

この戦略をもとに、具体的な施策については戦術編にてご紹介しています。

少し先の園の未来のために、採用ブランディングを始めてみたいと思ってもらえる一助となれば幸いです。

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この記事を書いた人

株式会社シェンゲン執行役員、人事責任者
「保育のカタチ」事業責任者、採用支援コンサルタント

前職ではリクルートの代理店にて、7年間1,000社以上の採用支援を担当。シェンゲン入社後は、幼保業界の「人」に関する問題解決に特化した専門家集団「保育のカタチ」を立ち上げ、事業責任者として従事。

保育園の統括マネージャーとして運営にかかわりつつ、保育士転職サービスでのキャリアサポートや、保育園への採用コンサルタントも行う。

採用活動を内製化する伴走型の採用支援や保育士向けの研修、紹介予定派遣などのサービスを公共機関や幼保施設の運営法人に向けて提供中。祖母、母、妹が保育士という保育士一家で育った。

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