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はじめに
保育士の配置基準変更のニュースが出て、今後は増員を検討する保育園が増えると見られています。
保育のカタチでも、1〜3年ほどのスパンで各園が緩やかに増員に動くと予測していますが、その中でもやはり劇的に増えるタイミングがあると思われます。
もし増員のタイミングが競合園と重なってしまった場合、しなくてもよい条件勝負をすることになってしまうなど、採用の難易度やコストが高まってしまう可能性が。
今回の記事では、来るべき配置基準の変更も視野に入れながら、幼保施設が計画的に採用を進めることの重要性についてご紹介していきます。
そもそも採用計画とは?
採用計画とは、
採用計画とは、簡単に言うと、「何のために、いつ、どこに、どんな人材を採用するのか」を決めた計画のこと。
この採用計画があるとないとでは、単年だけの採用のみならず、中長期に渡っての採用の成功率が大きく変わってきます。
欠員が出た時の場当たり的な採用を繰り返し続けては、採用の結果が不確定な要素に左右され続けてしまいます。これでは、保育理念に基づいた理想の園を実現することが難しくなり、ひいては子どもたちにとっても悪影響が出てしまう可能性があります。
また、採用活動にはほぼ必ず競合が存在します。
今後の売り手市場に備えて、事前の採用計画がますます重要になると考えられます。
採用計画はなぜ必要?
幼保業界は有効求人倍率が1を超える「売り手市場」。つまり、1人の求職者に対して、複数の園がアプローチをしているという状態です。
幼保業界では人手不足が叫ばれて久しいですが、今後は少子化という元々困難な状況に加えて、配置基準の変更によってさらに売り手市場が加速すると予測されています。
自園の状況、今後の展望もふまえ、より緻密に採用計画を立てることが重要になり、それができた園が生き残っていく、という状況も想定されます。
幼保施設の採用計画とは?
では、幼保施設の採用計画とはどのようなものでしょうか。
一言で言えば、「事業計画を達成するための人員配置を実現するための計画」となります。
詳しく以下の3点からご紹介します。
・事業目的、事業計画
幼保施設も一つの事業体です。その事業体には、事業の目的と今後の事業計画があります。
この中には保育理念(例:「思いやりと協力を大切にする子ども」「創造力や好奇心を持った子ども」)、その実現のための具体的な数値の計画があるでしょう。(例:20〇〇年までに、園児数が〇〇名、事業規模〇〇億円など)
・採用計画
事業計画達成のために、今年事務員を〇〇名、保育士を〇〇名採用
というように、事業計画や目的に合わせて人員の配置を決めて、足りない人材を採用していくための計画です。
3〜5年の中期計画、今年のみの短期計画など、時間軸によって複数作成する場合もあります。
・採用戦略
採用計画と似た言葉で、採用戦略がありますが、採用戦略は、採用計画を達成するための打ち手、施策、と考えていただければわかりやすいでしょう。
例:今年度保育士を〇〇名採用するために、〇〇という採用広告に予算を〇〇円投入する
など、実際の施策とその使い方を採用戦略といいます。
幼保施設の採用計画を立てるメリット
保育のカタチの肌感覚で恐縮ですが、幼保業界でしっかりと採用計画に基づいた採用と振り返りを行っているところは一般企業との比較で考えると圧倒的に少ない、というのが実感です。
したがって、幼保施設で採用計画に基づいた採用を行うだけでも、他園との差別化が生まれ、効果も見込みやすい状況にあります。(いわゆるブルーオーシャンという状態です。)
特に、以下のメリットがあげられます。
自園の採用の勝ちパターンを発見できる(仕組み化)
採用計画を立てて、その計画に基づいて採用を行うとき、結果として何人採用できた、という結果ももちろん重要ですが、結果が出たのはなぜか、結果が出なかったのはなぜか、という振り返りができるようになる、というのが大きなメリットです。
また、採用計画を立てる際には、仮説を立てることと、仮説に基づいた計画の作成が要求されます。
この仮説検証を繰り返すことで、自園の採用の勝ちパターンを見つけていく、ということができるようになります。このパターンを発見できると、その後の採用が仕組み化できるため、採用にかかる手間やコストを大幅に削減することができるようになります。ここが一番のメリットです。
そのほかに、
・採用成功率を上げられる
・求めている人材を採用しやすくなる
・採用活動の状況を見ながら、打ち手を柔軟に対応できる
というメリットも。
具体的な採用計画の立て方
それでは、具体的に採用計画をどのように立てれば良いのでしょうか。
具体的な手順の前に、一番重要なことは、まず作ってみる、ということです。
最初から完璧な採用計画を作ることは、熟練の採用担当でも難しいもの。
特にまだ採用計画を作ったことのない人が初めて作るのですから、できなくて当然という気持ちでハードルを下げて作成してみてください。
幼保施設の採用計画を立てる手順
採用計画を立てる手順は以下の通りです。
1.採用担当・採用体制をつくる
2.採用目的をすりあわせる
3.採用の要件をすりあわせる
4.選考プロセス、採用スケジュールの確認
という流れで作成していきます。
一つずつご紹介していきます。
採用担当・採用体制をつくる
まず自園や法人内で、採用に関わる人を洗い出して、必要であれば協力を依頼することからスタートしていきます。
わかりやすく言うと、「採用チーム」をつくる、ということです。
このチームの中で、役割分担をはっきりさせていきます。
・面接官
・応募者とのコミュニケーションをとる人
・採用担当者
・責任者
など。
このチームには色々な立場のメンバーが参加する可能性があります。
必要なスケジュールを押さえておくためにも、現場の先生たちを巻き込むかどうか、や経営陣や役員の確認の必要性などは事前に確認しておきましょう。
関わるメンバーが決まったら、事前に協力を依頼しておきます。
そうすることで、繁忙期などには周囲からの理解も得やすい状況を作っておくことが大切です。
採用目的をすりあわせる
採用目的とは、採用によって何を実現したいのか、何のためにこの採用をするのか、ということです。この目的を明確に言語化して、メンバー間で共有しておくことが非常に重要です。
幼保施設の職員には、保育士から事務職、主任、園長など、様々な職種が存在します。例えば、主任が人間関係の調整を一手に行っていて過剰な負担になっているとします。
解決策として、
・事務作業を減らすために事務員を採用する
・人間関係の調整を楽にするために、副主任のポジションを採用する
など、何を実現したいかによって採用するポジションや職種まで変わってきます。
採用すべき人材を明確にすれば、その分ターゲットも絞りやすくなります。
採用目的は事前に明確にした上で、メンバー間でしっかりと共有しておきましょう。
採用の要件をすりあわせる
採用目的にそって、採用したいポジションが決まったあとは、そのポジションに必要な経験、スキルなどの採用要件を洗い出していきます。
ここでの注意点は、理想を詰め込みすぎないこと。
いざ採用要件を洗い出したあとで、「こんな人いません!」とならないよう、必須のものと、あったら良いもの、なくても良いもの、という形で、優先順位をつけることが重要です。
例えば、先にあげた副主任というポジションの採用を目指すのであれば、
・保育経験(何年以上が最低ラインか)
・マネジメント経験の有無
・保育士資格
・その他のスキル
などを洗い出して、優先順位をつけていきます。
基本的には、入社後に教えることができないことが、必須の条件になりやすいです。
そして、その条件をメンバー間で共有します。
ここでも、認識の齟齬があると、応募から面接までの手順にブレが出てしまいます。無駄な工数を省くためにも、基準を統一する、ということは重要です。
選考プロセス、採用スケジュールの確認
求める人材を採用するには、どのような選考のプロセスをどのようなスケジュールで採用していけば良いのか、という確認をします。
例えば、学生であれば、養成校の就活のスケジュールを確認して、競合よりも先に動く。
新卒や若手などの履歴書に馴染みのない層を取りたいのであれば、履歴書の提出を不要にしてみる。
Z世代の特徴を考えて、不要な内定者懇親会はやらない。
など、
求める人材を採用するためには何が一番適切なのかを考えて選考プロセスを決定していきます。
これに加えて、採用基準の明確化も重要な要素です。
別の記事で解説していますので、そちらも合わせて参考にしてみてください
採用計画の精度をあげるためのポイント
ここでは、採用計画を立てる前に確認しておくべきポイントを紹介します。
この確認をしておくだけで、採用計画の精度を高めることができるかもしれません。
市場の状況を確認する
まずは、現在の幼保業界の採用市場を確認しておきましょう。
先ほども述べた通り、強烈な「売り手市場」ではあるのですが、その中でも求職者がどのようなことに興味を持っているのか、何を重視しているのか、という判断材料になります。
また、一年の中での時期的なトレンドも把握しておく必要があります。
例えば、転職者の動向を例に出すと、
5〜6月ごろは、4月からの勤務で参ってしまった人たちが市場に出る時期、9月〜11月は、翌年4月の入社を早い段階から検討している人たちが市場に出る時期、1月〜3月は、急ぎで次の職場を決めたい人たちが市場に出る時期
などを知っておくだけでも、採用の計画や打ち手はだいぶ変化していくことになります。
自社の状況を確認する
市場の動向を理解した上で、自社はどのようにその市場で戦えば良いのでしょうか。
自園の武器となる自社の強みを把握しておくことも重要です。
強みの把握
保育のカタチでは、まずは自園の状況を様々な要素からとにかく洗い出してみることをお勧めしています。
ポイントは、強みと思えないようなことでも書き出してみること。
自園の環境に慣れると、他園との比較では強みになることも、当たり前に感じてしまうことがあります。
まずは以下の4つの要素について、書き出してみてください。
・ヒト
・環境
・条件
・仕事
※洗い出しに使えるシートをご用意しています。
こちらからダウンロード可能です。
アピールするポイントの選定
自園の強みを洗い出したら、その中でも特に強みと感じる部分を選定していきます。この時に重要な視点は、求める人材、人物像に刺さりそうかどうか。
この視点は忘れずに選定を行ってみてください。
競合を確認する
自園の強みを洗い出しても、もし競合が同一の強みについてさらに良いアピールをしていては、比較された時に求職者が魅力を感じない可能性があります。
そこで、自園の周辺エリアの競合はどのような求人を出しているのか確認してみることをお勧めしています。
幼保施設の採用担当の方でも、競合の求人をしっかりと確認している人は実はかなり少ないです。これをやるだけでも、周囲との差別化に繋がりますので、ぜひ試してみてください。
競合が何をアピールした求人を出しているのか
競合の求人をみる上で重要なのは、何の要素を打ち出した求人を出しているのか、ということを確認することです。
多くの幼保施設の求人が先ほどの4つの要素で言うと
・条件:給与や勤務時間など
・環境:駅からの距離や残業の有無など
を押し出していることに気づくのではないでしょうか。
では、条件と環境で勝負するのか、それ以外の部分で勝負するのか。
ここを考えることが重要です。
求人を出したのであれば、求職者にみてもらえなければスタートラインに立てません。何を打ち出した求人ならば求職者がみてみようと思うのか、この点を意識しながら考えてみてください。
競合を見た上で、自園は何をアピールするのかを決定する
その上で、自園の強みと合わせて、何の要素を押し出した求人を作成するかを決定します。
・競合に比べて、給与などの条件がはるかに良かったので、条件勝負
・条件や環境が良くなかったので、人や仕事の内容に絞って目立つ求人を出す
など、自園が一番求める人材にみてもらいやすい求人を出すことができるように考えることが重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
採用計画を立てて、毎年の振り返りをしていくことで、自社の採用の勝ちパターンの発見に繋がり、採用の確率と精度が高まります。
今後、幼保施設の採用市場が加熱する前に、ぜひ一度この記事を参考に自園の採用計画を立ててみてはいかがでしょうか。
幼保施設に効果的な採用計画を簡単に立てるには
ここまでの内容で、幼保施設の採用計画を自園で立ててみる、ということも非常に自園にとって重要な過程だということがご理解いただけましたでしょうか。
自園全体の振り返りや組織の見直し、採用計画を作ってみることで、自園の弱点や強みなど、採用以外でも色々な部分が見えてきます。
ただ、この作業には客観的な視点があった方が早く進みます。また、自園でゼロからやるには、そこまでの時間もリソースもない、という園も多いのが実情です。
その際は専門家に一緒に採用計画を立ててもらう、という方法もあります。
保育のカタチは保育園を自社で運営しているので、保育園の運営についてのノウハウや、業界の採用事情にも精通しています。
ぜひ一度保育のカタチの無料相談をご活用してみませんか?
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