保護者から子どもを預かっている保育園は、子どもの安全を守る必要があります。安全管理の一環である不審者対応について、どのように対策や訓練をしたら良いか知りたい園関係者の方もいるでしょう。
この記事では、保育園で不審者対応が求められる理由や実際の事例を踏まえ、必要な不審者への対策を解説します。保育園の不審者対策について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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引用元:保育のカタチ
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保育園で不審者対応が求められる理由
保育園で不審者対応が求められる理由は、未就学児は狙いやすい存在であるためです。未就学児は身体も小さく、何が危険かわからないため、不審者の判断が難しい年代です。
また、不審者への対策は1度だけでは覚えられない園児が多いため、繰り返し訓練をして教える必要があります。
これまでに保育園で起こった事件事例
これまでに保育園で起こった実際の事件事例を2件みていきましょう。
- 宮城県での事例
- 大分県での事例
どちらも実際に起こった事件であり、対策が必要とされています。
宮城県での事例
2021年11月11日に宮城県で発生した事件事例です。宮城県登米市の認定こども園では、外で遊んでいたところ、園の周囲をうろつく男を職員が発見しました。園児に悟られないように、建物の中に誘導したところ、園内に男が侵入しようしていたそうです。
不審者の侵入を阻止するために男性職員4人で男を抑え込んだとのことです。
大分県での事例
2017年3月31日に大分県で発生した事件事例です。大分県宇佐市にある認定こども園の教室に刃物を持った男が侵入し、男児と女性職員を襲いました。こども達は近くの商店に駆け込み、犯人は複数の男性職員と駆け付けた署員により現行犯逮捕されました。
命に別状は無いものの、子ども達や職員が心に傷を負ったことは間違いないでしょう。
事例のように、保育園の敷地内に不審者が入ってきた際は、園児の安全確保に加え、不審者に対して速やかに対処しなければなりません。不審者対策は繰り返しの訓練を園児と共に行い、瞬時に行動できるようにしていていくことが重要です。
保育園で行うべき不審者対策
保育園で行うべき不審者対策は、以下の6つです。
- 防犯グッズを活用して安全確保する
- 地域や関係機関との連携を図る
- 園全体で共有しておく
- 不審者対応マニュアルを作成する
- 不審者対応訓練シナリオを作成する
- 普段から実践的な訓練をしておく
6つの対策を網羅することで、不審者への対策の強化ができます。
防犯グッズを活用して安全確保をする
1つ目に紹介する対策は、防犯グッズを活用して安全を確保することです。保育園で使える防犯グッズは、下記のようなものが挙げられます。
- 防犯カメラ
- オートロック
- モニターカメラ
- インカム
- 催涙スプレー
- さすまた
防犯カメラやオートロックを導入しやすいため、まだ使用していない保育園はぜひ検討してみてください。不審者が来たときには、速やかに対応する必要がありますが、インカムやさすまたも用意しておくと安心です。
防犯グッズは使用頻度が少なくなりがちですが、使いやすい場所に保管するのがおすすめです。
地域や関係機関との連携を図る
2つ目に紹介する対策は、日ごろから地域や関係機関との連携を図っておくことです。不審者を発見した際に、110番通報してから警察が到着するまで10〜15分ほどかかるといわれています。その間は保育園の職員が対応しなければなりません。
保育園の近隣に住んでいる方や商業施設、学校などと常に連携できる体制を整えておきましょう。不審者の情報を共有したり、不審者と遭遇したときに助けてもらえたりできるように、事前に協力体制を依頼しておくことが重要です。
園全体で共有しておく
3つ目に紹介する対策は、不審者の情報を速やかに園全体で共有することです。園全体で情報共有する方法には、ICTを活用する方法があります。ICTは保育園内の情報共有だけでなく、緊急時にメールを一斉送信で保護者へ連絡できます。
不審者が保育園に出たときだけでなく、地域の不審者に関する情報共有も可能です。速やかな情報共有で園児の安全を守ることにつながります。保育園におけるICTについては、下記の記事も参照ください。
不審者対応マニュアルを作成する
4つ目に紹介する対策は、不審者対応マニュアルを作成しておくことです。保育園に不審者が侵入した際は、園児の安全確保が第一優先にななります。しかし、安全確保だけでは不審者の対応はできません。
不審者を発見後、すぐさま行動できるようにマニュアルを作成し共有しておきましょう。
不審者対応訓練シナリオを作成する
5つ目に紹介する対策は、実際に不審者と遭遇と遭遇した場合の不審者対応訓練のシナリオを作成しておくことです。
さまざまな場面を想定してシナリオを作成し、保育園全体で共有しておきましょう。
普段から実践的な訓練をしておく
6つ目に紹介する対策は、普段から実践的な訓練をすることです。
普段から実践的な訓練をしておくことで、実際に不審者に遭遇しても訓練どおりに動けます。
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不審者対応訓練をする際のポイント
不審者対応訓練をする際のポイントは、以下の4つです。
- 事前準備を行う
- 職員全員で共有する
- 園児にいかのおすしを伝える
- 不審者についてわかりやすく伝える
不審者は保育園に侵入する可能性があるため、園児と共に真剣に訓練に臨むことが重要です。
事前準備を行う
1つ目のポイントは、事前準備をしておくことです。不審者の性別や刃物の有無、保育園への侵入経路について準備をしていきます。事前準備の際に、マニュアルを見ながら検討する方法もおすすめです。
準備の際には、園内に侵入しやすい場所の有無や出入り口の施錠、防犯カメラの起動状態も確認しておくと、園内の防犯対策を高められます。
職員全員で共有する
2つ目のポイントは、職員全員で共有することです。保育園の周囲や園内で不審者を見かけた場合、不審者に対する対応方法について、あらかじめ職員同士で共有しておきましょう。
また、不審者が現れた場合に、誰が何をするかを決めておくことも大切です。
園児にいかのおすしを伝える
3つ目のポイントは、園児にいかのおすしを伝えることです。「いかのおすし」は、警視庁から発表された防犯標語になります。
いか:知らない人について「いか」ない
の:知らない人の車に「の」らない
お:危険を感じたら「お」おきな声で叫ぶ
す:すぐ「に」げる
し:すぐ「し」らせる
不審者から逃げる場合は、交番やコンビニ・スーパー以外にも、子ども110番の家も避難先として伝えると良いでしょう。
不審者についてわかりやすく伝える
4つ目のポイントは、不審者についてわかりやすく伝えることです。不審者について伝え、園児に危機管理能力を身に付けてもらうことが目的ですが、怖がらせすぎないように配慮しましょう。自分の身を守れるような行動を身に付けてもらうことを意識し、わかりやすく伝えることが大切です。
過度に怖がらせることなく、定期的に訓練を行うことで不審者へのイメージと対応について少しずつ理解してもらえるでしょう。
まとめ
保育園における不審者対策は、園児と職員の命を守るためにとても大切なことです。不審者と遭遇する可能性は低いですが、実際に保育園に不審者が侵入した事件もあります。
保育園側ができる防犯やICTの導入、不審者対策マニュアルの作成など、最大限の危機管理を職員全体で共有していきましょう。
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