現在、保育園を運営する方や新たに設立を検討している方の中には、保育園の運営費について悩んでいる方も多いのではないでしょうか。運営費の1つである人件費は、保育園を運営するうえで最も重要な費用です。しかし、ひとくちに人件費といっても保育園の規模によって差が生じます。
そこで、この記事では保育園の運営に必要な人件費の内訳やコスト削減のポイントなどを詳しく解説します。運営に悩む保育園関係者の方は、ぜひ参考にしてください。
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保育士の採用をするなら保育のカタチがおすすめ
引用元:保育のカタチ
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住所 | 〒550-0004大阪府大阪市西区靱本町1-7-22 SKKビル201 |
許可番号 | 厚生労働大臣許可番号有料職業紹介事業:27-ユ-303764 労働者派遣事業:派27-304996 |
雇用形態 | 正社員、契約社員、パート |
求人施設 | 保育園、幼稚園、認定こども園、病児保育、事業内保育、学童保育、託児所など |
対応エリア | 全国 |
連絡手段 | 電話番号:06-6210-5326 LINE |
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保育園の人件費について
保育園の運営にはさまざまな費用が必要ですが、人件費は運営費の大部分を占めます。ここでは、人件費の内訳や人件費以外の運営費の内訳について解説します。
人件費の内訳
保育園における運営費のうち、7〜8割が人件費といわれていますが、人件費の内訳には以下のようなものが含まれています。
【人件費の内訳】
- 給与
- 賞与
- 一時金
- 退職金
- 法定福利費
- 法定外福利費
- 人材採用費
- 教育研修費
保育園で従事する保育士に支給されるのは給与や賞与、一時金をはじめ、福利厚生や研修に使われる費用も人件費として計上されます。
人件費以外の運営費内訳
保育園の運営には人件費以外にもさまざまな費用が必要です。人件費以外の運営費の内訳は、以下のとおりです。
【人件費以外の内訳】
賃貸料 | 保育園の園舎や土地合賃貸にかかる費用 |
水道光熱費 | 施設内の水道・電気・ガスなどにかかる費用 |
広告宣伝費 | 園児・保育士募集のための広告印刷代や掲載費用、HP運用費用 |
消耗品費 | おもちゃ・工作材料費・医薬品・保育業務支援システムなどの利用料 |
保険料 | 保育所や保育士に対する損害賠償責任への備え |
委託運営費 | 保育園の業務の一部を外注する費用 |
園舎が賃貸の場合や業務の一部を外注している場合には、それらにかかる費用も運営費として計上されるため、園の種類や規模以外によって運営費用に差が出ます。
人件費率の計算方法
人件費にかかる比率は、以下の計算で求めることが可能です。
【人件費率の計算式】
人件費÷売上×100=人件費率(%)
人件費率が高い場合には、人件費がかかりすぎている可能性や運営費が足りない可能性が考えられます。一方、人件費率が低い場合は運営費が足りていることを意味しますが、従業員に対する還元率が低い可能性もあるため、今一度見直しするのがおすすめです。
保育園の適切な人件費の割合は約70%
保育園の適切な人件費の割合は、一般的には70%ほどといわれていますが、保育施設の人件費は他業種と比較しても高めです。
そこで、保育園における人件費の実態をみていきましょう。
保育園における実際の人件費
福祉・保険・医療の総合情報サイト「WAM NET」の資料によると、定員60人以上の保育施設2,605箇所で人件費が72.4%を占めています。
しかし、保育園の運営形態によって人件費率は異なるため、正確な割合を把握しておくことが重要です。
参考:WAM NET「保育所の経営分析参考指標(平成26年度決算分)」
保育士の人件費は公定価格の80%程度
保育士の人件費率は70%ほどが適切ですが、公定価格に対する割合からも算出できます。保育園の人件費は、公的価格の80%程度が適切といわれています。
公定価格とは保育園を運営するために必要な費用を計算したうえで、国が定める基準によって最終的に算定された価格のことです。私立保育園の場合、公定価格を基準とした委託費を自治体から受け取り運営しています。公的価格の80%程度に抑えられているかも確認するのがおすすめです。
園児の定員に比例して人件費は高くなる
保育園の人件費は、園児の定員に比例して高くなる傾向にあります。ここからは、その理由についてくわしく解説します。
人件費が高くなる要因は配置基準が関係している
人件費が高くなる要因の1つに、職員の配置基準が深く関係しています。保育施設では、保育サービスの質を確保するという観点から「児童福祉施設最低基準」により、職員の人数が定められています。
園児の定員が多い施設は配置しなければならない職員の数が多くなるため、人件費も必然的に高くなるのです。職員の配置基準は、以下のとおりです。
【職員の配置基準】
年齢 | 園児:職員配置 |
0歳児 | 3:1 |
1・2歳児 | 6:1 |
3歳児 | 20:1 |
4・5歳児 | 30:1 |
配置基準について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
保育園の形態によっても異なる
先述したとおり、保育園における人件費は運営形態でも異なります。保育園の規模が大きい場合、保育士以外にも事務員や用務員などの配置が必要です。また、給食を外部委託ではなく施設内で調理する場合には、調理員の配置も必須となるため、その分の人件費が必要となります。
保育園の規模が大きくなればなるほど、人件費は膨らむ傾向にあります。
赤字と黒字の保育園の違い
他の同じサービス業と比較しても人件費が高い保育園運営ですが、黒字経営の保育園も実在します。赤字経営の保育園の多くは、黒字の施設よりも人件費率が高いケースが多いです。
赤字の施設ほど常勤の従業員の勤続年数が長く、1人あたりの人件費が高い傾向にあり、従業員のサービス活動収益が少ない傾向にあります。赤字経営の保育園は、収益が少ないのにも関わらず、人件費が膨らんでいるため、収益と人件費双方の改善が求められます。
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人件費を抑えるためのポイント
安定した運営を継続するためには、経営が赤字にならないようにすることが大切です。そのためには、運営費の7割を占める人件費を抑えることが重要な課題といえるでしょう。
ここからは、人件費を抑えるためのポイントを詳しく解説します。
間接費の削減を図る
間接費とは広告宣伝費や設備費、保育システム利用料などの消耗品費のことです。間接費削減のために、以下の施策を実施しましょう。
【間接費の適正化施策例】
- 効果の見えにくい屋外広告の契約を解除する
- 保育園のホームページやSNSを利用して情報を発信する
- 保育園のホームページに定期的に記事を投稿することで集客数を増やす
- ホームページ内に保護者限定のページを作成し、園内の様子を伝える
これらの施策を長期的に行うことで、間接費の削減が期待できます。
採用コストの削減を図る
保育士を採用する際にかかるコストの削減を図ることでも、人件費を抑える有効な手段です。採用にかかるコストの中には、求人広告の掲載費用や人材紹介会社に支払う費用などが含まれます。また、保育園によっては採用内定者の引越し費用などを負担するところもあり、それらの費用も採用コストとして計上されます。
新たな人員を募集しなくて良い時期は、求人広告の掲載を休止するなどして無駄なコストを削減しましょう。
残業を減らす
保育士の残業時間を減らすことで、人件費が削減できます。しかし、保育士の仕事は園児の保育以外にも事務作業や制作業務、翌日以降の準備など細かな作業が多く、やむをえず残業となるケースも多く見受けられます。
残業を減らすために、定型的な事務作業をICT化することを検討するのがおすすめです。ICTを導入すると勤務シフトのほか、出勤退勤・園児の出欠記録・お便りなどをデジタルツールで作成管理できます。保育士の残業時間が短縮され、人件費の削減が実現できるでしょう。
ICTについて詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
役職の格差をなくす
園長・保育士主任など、役職についている従業員の給与は、通常の保育士よりも高く設定されていることが多いです。役職の有無で給与に大きな格差が出ると保育士のモチベーションが低下する可能性があるため、格差をなくすことが重要です。
公定価格において、園長・保育士主任・保育士の給与基準額が制定されています。しかし、役職のある従業員対して公定価格よりも高い給与が支払われ、保育士の給与は公定価格を下回るケースも多くみられます。基準額と実際の給与額に差が出ることは少なくありませんが、格差をなくすことで人件費を削減できるでしょう。
付帯事業を充実させる
保育園の保育料は家庭ごとの収入によって算定されることが多いため、むやみに値上げすることはできません。しかし、保育園の運営元が企業の場合は、保育園以外の事業を充実させることで収益を得ることが可能です。付帯事業を充実させることで利益が上がれば、人件費率も抑えられます。
体操教室のほか、音楽教室・英語教室など、幼児教育に関する付帯事業を充実・展開させることで保育料以外の収益が見込めます。付帯事業で得た収益を保育園の人件費に回すことで適切な人材配置が可能となり、安定した保育園運営が実現するでしょう。
まとめ
人件費の内訳には給与や賞与以外にもさまざまな費用が含まれていますが、保育園の運営にかかる人件費は7割を占め、大きな負担となっています。
無駄な支出を見直し、売上とのバランスを考えた人件費を計上することで、適切な保育園運営が可能となり黒字経営が見込めます。人件費を確保するために、付帯事業を充実させるのもおすすめです。人件費を抑えて安定した保育園の運営を実現させましょう。
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