保育園経営は難しいって本当?年収や経営状況・経営に必要な費用などを解説

これから保育園を開設する方の中には「保育園経営は難しいのかどうか」気になる人もいるのではないでしょうか。

この記事では、保育園経営に必要な基礎知識や経営するまでの流れ、必要な費用などを解説します。経営を失敗しないためのポイントも紹介しているので、ぜひ参考にください。

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目次

保育士の採用をするなら保育のカタチがおすすめ

引用元:保育のカタチ

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雇用形態正社員、契約社員、パート
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連絡手段電話番号:06-6210-5326
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保育園経営に必要な基礎知識

保育園経営に必要な基礎知識は、以下の4つです。

  • 保育園の種類
  • 保育園の年収・収入源
  • 保育園の設置基準
  • 保育園経営に必要な資格

基礎知識を得ておくと、経営準備もスムーズに行えるでしょう。1つずつくわしく解説していきます。

保育園の種類

保育園は、以下の3種類に分けられます。

  • 認可保育園
  • 認可外保育園
  • 企業主導型保育園

「認可保育園」とは都道府県の現地調査や審査にクリアし、経営を認可された保育園のことです。園児の人数によって、施設の広さや保育士の配置人数などが決まります。

「認可外保育園」は、都道府県から認可を受けていない保育園のことで、「認可外保育施設」と呼ばれることもあります。「認可を受けていない」と聞くとネガティブに聞こえるかもしれませんが、認可を受けているから必ずしも良いというわけではありません。

「企業主導型保育園」とは、会社に子どもを預けられる保育施設のことです。会社は株式会社が中心で、平成28年度に内閣府によって開始されました。非常にメリットのある施策に感じますが、さまざまな懸念点があるのも事実です。

保育園の年収・収入源

保育園の年収は、雇用状況や施設の規模によって変わり、収入源は保育園の種類によって異なります。

「認可保育園」は運営費補助金と保護者からの保育料、「認可外保育園」は保育料のみ、「企業主導型保育園」は運営費補助金が主な収入源です。

保育園の設置基準

保育園を運営する際は、子どもの人数に対して必要な保育士の人数や設備などが法律で決められています。それが、配置基準と呼ばれるものです。

保育園の設置基準は「認可保育園」と「認可外保育園」によって異なります。それぞれの設置基準は、以下のとおりです。

認可保育園認可外保育園
保育士の人数<0歳児>
子ども3人に対し保育士1人

<1〜2歳児>
子ども6人に対し保育士1人

<3歳児>
子ども20人に対し保育士1人

<4〜5歳児>
子ども30人に対し保育士1人
<保育時間が11時間以内の場合>
認可保育園と同様

<保育時間が11時間以上の場合>
子ども3人に対し保育士1人
※家庭的保育補助者と一緒に保育をする場合は常時2人

参考元:厚生労働省「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第(三十三条)」
参考元:厚生労働省「認可外保育施設に対する指導監督の実施について(平成13年3月29日)令和3年4月30日最終改正」

保育園の配置基準についてくわしく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

保育園経営に必要な資格

保育園と聞くと、保育士としての実務経験や資格がないと経営できないと思う方もいるでしょう。実際は、経営スキルさえあれば、保育園の経営ができます。

実務経験や資格は不要ですが、保育園の開設・運営にあたり、配置基準や児童福祉法などを覚えなければなりません。

保育園経営までの流れ

保育園経営までの流れは、以下のとおりです。

  1. 保育園の種類を決める
  2. 施設と施設長を決める
  3. 事業計画書の作成、提出、施設の工事
  4. 保育士の採用や教育
  5. 申請の承認

まずは、どの保育園を経営するか決め、その後保育施設と施設長を決めます。

すべて決まったら事業計画書の作成にうつりますが、事業計画書には保育方針や人員配置や施設配置図、保育時間などを記載します。作成後は自治体に提出し承認され次第、施設の工事にうつります。

工事中にやっておくべきことは、保育士の採用や教育です。「認可保育園」「認可外保育園」それぞれの採用基準を決めて、採用活動をおこない、研修までしておきます。工事終了後は許可申請をし、承認されたら経営準備は完了です。

保育士の採用基準について気になる方は、下記の記事もご覧ください。

保育園経営に必要な費用

保育園経営には、初期費用と運営費用が必要です。ここからは、開業するまでの費用と、運営するための費用の内訳を紹介します。

開業するまでの費用

保育園を開業するまでの初期費用は、500〜600万円が目安です。「認可保育園」であれば運営費補助金があるため、認可外保育園と比べるとかなり費用は抑えられるでしょう。

初期費用の内訳は、以下のとおりです。

項目費用
広告宣伝費約50万円
消耗品等費約100万円
設備費約140万円
物件取得費約150万円
内装工事費約150万円
費用合計約590万円

運営するための費用

保育園を運営するための費用は、月に200〜300万円が目安といわれています。運営費用に関しても「認可保育園」であれば運営費補助金が受け取れます。

運営費用の内訳は、以下のとおりです。

項目費用
水道光熱費約6万円
給食費約12万円
賃貸費約45万円
人件費約180万円
費用合計約213万円

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保育園経営は難しい?儲かる?経営状況について

実際、保育園の経営状況がどのようになっているのか、気になる方もいるでしょう。ここからは、保育所の経営状況の推移と、赤字・黒字施設の経営状況の比較について紹介します。

保育所の経営状況の推移

2021年度の保育園における経営状況のデータによると、2020年度より赤字施設割合が拡大しています。その理由は、経費率や人件費率が上昇したにもかかわらず、経常増減差額率やサービス活動増減差額率が低下したためです。

待機児童に関しては出生数が減少しているうえ、企業主導型保育事業や小規模保育事業が活用されるようになったため減少しつつあります。しかし、保育園の利用希望者が多く、利用率は上昇傾向にあります。

参考元:WAM「2021 年度(令和 3 年度)保育所および認定こども園の経営状況について」

赤字・黒字施設の経営状況の比較

2021年度の赤字・黒字施設の経営状況のデータによると、赤字施設は増加傾向にあるものの、黒字施設のほうが多い結果となっています。赤字施設と黒字施設の違いは、人件費です。赤字になる最大の理由として、勤続年数の長い常勤職員が在籍し、1人当たりの人件費が高くなっていることが挙げられます。

赤字施設にならないように経営改善をおこなうためには、人件費をどれだけ抑えられるかが重要といえます。

参考元:WAM「2021 年度(令和 3 年度)保育所および認定こども園の経営状況について」

人件費について気になる方は、下記の記事もご覧ください。

保育園の主な廃業・倒産理由

保育園の主な廃業や倒産理由は、以下のとおりです。

  • 人手不足
  • 就学前まで預けられる保育園の需要が高い
  • 他の保育園との差別化を図れていない

廃業や倒産の理由でもっとも多いのは、人手不足です。保育士は重労働であるにもかかわらず、賃金が低いため、辞めたり転職したりする人が多いです。

2つ目の理由として、就学前まで預けられる保育園のほうが需要が高いことが挙げられます。途中で保育園を移ることは、子どもだけではなく、親にも負担がかかります。そのため、就学前の5歳まで通える保育園に預けたい人が多いです。

他にも、他園との差別化を図れていないことも理由として挙げられます。同じ地域に複数の保育園があれば、保護者はより良い保育園に子どもを預けたいと思うでしょう。他の保育園と違う特色や特徴がないと選ばれにくいため、何かしら差別化を図れる魅力を持っておく必要があります。

保育園経営に失敗したくないときは?

保育園経営を始めるからには、失敗したくないという方が多いでしょう。倒産や廃業にならないようにできることは、以下の3つを活用することです。

  • 魅力的な保育園にする
  • コンサルタントを利用する
  • 補助金を活用する

1つずつ詳しく解説します。

魅力的な保育園にする

魅力的な保育園にできれば、「子どもを通わせたい」と思う親は当然増えます。補助金や保育料は、園児の人数に比例して金額が増える仕組みのため、より多くの園児を集めることが重要です。

保育理念や方針を決める段階で、自園にしかない魅力を見出すことで失敗を防げるでしょう。

コンサルタントを利用する

保育園経営には、専門のコンサルタントを利用するのもおすすめです。専門のコンサルタントは、保育園経営のノウハウや実績が豊富なため、開業の手続きや課題解決についてサポートしてくれます。

コンサルタントによって強みが異なるため、「サポート体制の充実さ」や「園児の獲得力」など重視するサポート内容を決め、数社比較して選ぶと良いでしょう。

補助金を活用する

認可保育園であれば、主に以下の補助金を活用できます。

  • 保育所等改修費等支援事業
  • 就学前教育・保育施設整備交付金(旧保育所等整備交付金)
  • 保育所等におけるICT化推進等事業
  • 保育体制強化事業

「保育所等改修費等支援事業」とは保育園設置の際に必要な改修費が補助される制度で、賃貸物件を活用する場合などに適用されます。補助率は1/2です。「就学前教育・保育施設整備交付金(旧保育所等整備交付金)」は、防音壁の設置や施設整備に必要な費用が補助される制度で、補助率は事業費の1/2です。

「保育所等におけるICT化推進等事業」とは補助業務や保育の周辺業務を効率的におこなうためのシステム導入に必要な費用が補助される制度で、1施設あたり最大で100万円が補助されます。「保育体制強化事業」とは保育の周辺業務をおこなう人の配置に必要な費用が補助される制度で、1件あたり約10万円です。周辺業務はおもに給食の配膳、寝具の準備や片付け、清掃などが該当します。

利用できる補助金があれば活用し、保育士が働きやすく園児も安心して通える環境作りをすることが重要です。

まとめ

この記事では、保育園経営の年収や経営状況、経営に必要な費用などを解説しました。保育園開設に資格は必要ありません。しかし、配置基準や児童福祉法など覚えなければいけない知識があるため、前もって把握しておきましょう。

また、人手不足で廃業・倒産する方や、人件費が多く赤字経営となる保育園もあるため、事前に運営費について把握し、対策をすることが重要といえます。

何を始めるにももちろんリスクを伴いますが、しっかりと準備すれば保育園運営も上手くいくはずです。コンサルタントを利用したり、特色のある魅力的な保育園を作り失敗を防ぎましょう。

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保育士の採用をするなら保育のカタチがおすすめ

引用元:保育のカタチ

保育士の採用をするなら保育のカタチがおすすめです。

保育のカタチは日本で唯一、幼保業界の「人」に関する問題解決に特化した専門家集団です。採用から社員教育、それらの仕組み化まで幅広く取り組んでおり、人手不足の保育業界の中で、幼保施設にとって最善のパートナーが見つかるようなお手伝いをしています。

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この記事を書いた人

株式会社シェンゲン執行役員、人事責任者
「保育のカタチ」事業責任者、採用支援コンサルタント

前職ではリクルートの代理店にて、7年間1,000社以上の採用支援を担当。シェンゲン入社後は、幼保業界の「人」に関する問題解決に特化した専門家集団「保育のカタチ」を立ち上げ、事業責任者として従事。

保育園の統括マネージャーとして運営にかかわりつつ、保育士転職サービスでのキャリアサポートや、保育園への採用コンサルタントも行う。

採用活動を内製化する伴走型の採用支援や保育士向けの研修、紹介予定派遣などのサービスを公共機関や幼保施設の運営法人に向けて提供中。祖母、母、妹が保育士という保育士一家で育った。

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