保育園を運営は園の種類によって運営方法や経営が大きく変わることは知っていますか。保育園の運営方法は2つに分類され、さらに保育園の種類は3種類あります。
この記事では、保育園の運営方法や必要な知識について詳しく説明します。これから保育園を開設しようと考えている方や、既存の保育園の運営に課題を感じている方はぜひ参考にしてください。
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引用元:保育のカタチ
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雇用形態 | 正社員、契約社員、パート |
求人施設 | 保育園、幼稚園、認定こども園、病児保育、事業内保育、学童保育、託児所など |
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保育園の運営方法
保育園の運営方法は「直営」「運営委託」の2つに分けられます。はじめに、保育園の運営形態について解説します。
直営
直営とは、保育園を直接運営する方法であり、園長やスタッフなどを自社の従業員として雇用する形態です。
全ての経営責任を保育園自体が負うため、トータルでの収支を管理しやすく、利益を出しやすいというメリットがあります。ただし、運営に必要な人材や資金を全て自前で調達する必要があるため、負担が大きくなりやすいです。
運営委託
運営委託とは、保育園運営会社などに運営を委託する方法であり、業務委託契約を結ぶ形態です。
保育士の現場での人員配置や保育プログラムの設計、施設の管理などを委託先が行うため、運営者自身が保育業務に集中できる点がメリットとして挙げられます。また、運営を委託することで、開園に必要な手続きや各自治体や行政、さまざまな専門機関とのやり取りの負担も軽減されます。
保育園の種類
次に、主な保育園の種類を3つ紹介します。
- 認可保育園
- 認可外保育園
- 企業主導型保育園
それぞれ詳しく見ていきましょう。
認可保育園
認可保育園とは児童福祉法に基づき市町村が認可・運営する保育園です。
年齢別にグループを分け、保育士が保育を行います。保育内容は市区町村によって異なりますが、子どもの発達に合わせた遊びや食事、安全な生活環境の提供がなされています。
認可保育園は、設置・運営の基準がもっとも厳しく、開設のハードルが高い保育園です。
認可外保育園
認可外保育園は自治体ではなく、個人や民間法人が開設・運営している保育園です。
保育内容は認可保育園と同様ですが、保認可保育園に比べて運営の自由度が高く、独自の保育サービスを提供できます。運営方針が多様化することで、利用者のニーズに合わせて選択肢が広がるというメリットもありますが、設備や職員数に制限がないため、品質にばらつきが生じる点がデメリットです。
企業主導型保育園
企業主導型保育園は内閣府が主導する認可外保育所の1つです。内閣府が企業主導型保育園に対して、整備費用や運営費用の助成を行っています。企業主導型保育園は企業が従業員の勤務スタイルに合わせて柔軟な保育サービスを提供していることが特徴です。
保育園の運営をするのに必要な条件は?
保育園を経営するためにどのような条件があるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
保育園を経営するには、必要な資格や設置基準を押さえることが必須です。そこで、保育園運営に必要な条件について解説します。
必要な資格はなし
保育園を運営するにあたり、保育士資格は必要ありません。しかし、子どもと接する保育士には保育士資格が必要です。また、国や市区町村の定める各種の基準を満たす必要があります。
保育施設の種類によっては国の基準の他に、自治体が独自の基準を設けている場合があります。そのため、事前に市区町村のホームページなどで確認し、基準を十分に把握しておきましょう。
保育園の設置基準
保育園を運営するうえで資格以上に重要なのが「設置基準について知っておくこと」です。保育園の設置基準には、満たすべき要件や保育士の配置人数に違いがあります。
認可保育園と認可外保育園でそれぞれ違いがあり、表にまとめたので確認しておきましょう。
認可保育園
形態 | 認可保育園 |
満たすべき要件 | 「保育所の設置認可等について」や「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」等に定められている。 |
自治体の審査 | あり |
保育士の人数 | 0歳:子ども3人に保育士1人 1~2歳:子ども6人に保育士1人 3歳:子ども20人に保育士1人 4歳以上:子ども30人に保育士1人 ※原則として常時2人以上 |
保育室等の面積 | 0歳、1歳児乳児室:1.65㎡/人ほふく室:3.3㎡/人 2歳児以上保育室:1.98㎡/人園庭:3.3㎡/人 |
開所時間 | 原則11時間 |
参考:「保育所の設置認可等について」「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」
認可外保育園
形態 | 認可外保育園 |
満たすべき要件 | 「児童福祉施設最低基準」や「認可外保育施設指導監督基準」等に定められている。 |
自治体の審査 | なし ※開業後に届出は必要 |
保育士の人数 | 0歳:子ども3人に保育士1人 1~2歳:子ども6人に保育士1人 3歳:子ども20人に保育士1人 4歳以上:子ども30人に保育士1人 ※原則として常時2人以上 |
保育室等の面積 | 乳幼児1人あたり1.65㎡以上 |
開所時間 | 無制限 |
参考:「児童福祉施設最低基準」「認可外保育施設指導監督基準」
保育士の配置人数について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
保育園運営をするのに必要なこと
実際に保育園を経営する場合、以下の知識を得ておく必要があります。
- 保育関連の法律知識
- 集客方法
- 保育士の採用方法
- 資金
- 補助金や助成金の知識
それぞれ詳しくチェックしていきましょう。
保育関連の法律知識
保育園を運営するためには、保育に関する法律の知識がなければいけません。児童福祉法や建築基準法、消防法だけでなく、保育園の設置などに関する法律、健康管理に関する法律など、遵守すべき法律は多岐にわたります。
さらに、保育サービスに関する地方自治体の条例や指針もあるので、すべて確認しておきましょう。
集客方法
保育園は顧客を獲得するためには集客が必要です。集客方法にはホームページの作成やSNSの活用、チラシの配布など、さまざまな方法があります。集客方法は予算や地域にによって異なるので、自社の状況に合わせて戦略を立てましょう。
保育士の採用方法
園作りは保育士の質も重要です。そのため、保育園を運営するためには良い人材を見つけなければなりません。求職者にアプローチするために、複数の採用方法を検討することが必要です。
求職者にとって求人媒体は閲覧しやすいと同時に、多くの求人情報を把握することができる便利な手段です。新聞や求人雑誌、タウン情報誌など、多種多様な媒体があるので自社に合ったものを選びましょう。
募集要項には条件を明確に記載し、魅力的な文章を掲載することが重要です。また、保育士求人に特化した転職エージェントを利用すると、採用担当者と求職者の間にやり取りのズレを少なくできます。
保育士の採用単価と即戦力のある保育士の採用方法について知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
資金
保育園運営のためには、売上に対してどれくらい経費がかかるのか、資金についても知っておく必要があります。保育園の運営に関する経費と売上に対する比率は以下のとおりです。
項目 | 詳細 | 売上に対する比率(例) |
人件費 | 保育士などの給与、福利厚生費 | 約70% |
広告宣伝費 | 園児募集や、保育士募集などにかける費用。HP運用、チラシ印刷代や求人広告掲載費など。 | 1~3% |
賃借料 | 園舎と土地を借りている場合にかかる費用 | 10~15% |
消耗品費 | おもちゃや工作の材料、医薬品、保育業務支援システムなどの費用 | 1~5% |
水道光熱費 | 水道代やガス代、電気代や熱供給などの費用 | 5% |
委託運営費 | 業務の一部を、他の会社へ依頼した場合の費用 | 5~10% |
傷害保険、賠償保険料 | 保育所、保育士に法律上の損害賠償責任が発生した場合の費用 | 2~3% |
最も費用がかかるのが人件費で、それに次ぐのが賃借料です。場所によっては賃借料の比率が高くなることも考えられます。余裕を持った資金繰りができるよう、多めに資金を用意しておくことをおすすめします。
補助金や助成金の知識
資金と同様に、保育園運営のためには補助金、助成金についても知識を得ておく必要があります。
補助制度 | 概要 | 金額参考(一部抜粋) |
保育所等整備交付金 | 保育園の新設・修理・改造・整備にかかる経費や防音壁の整備、防犯対策の強化にかかる費用の一部を補助するもの。 | 本体工事費:54,400~105,700千円/1施設 特殊附帯工事:8,190~14,450千円/1施設 設計料加算:本体工事費に係る交付基準額の5% 開設準備費加算:28~42千円/子ども1人あたり 土地借料加算:12,000~41,900千円/1施設 地域の余裕スペース活用促進加算:1,750~12,760千円 |
保育所等におけるICT化推進等事業 | 保育の周辺業務や補助業務に係るICT等を活用した業務システムの導入を支援するもの。 | 1施設当たり:1,000千円 |
地域型保育給付(運営費等補助金) | 保育所の定員規模や入所児童の年齢区分等によって運営費を補助するもの。 | 子ども1人あたり:150〜300千円/月が目安(公定価格+加算分) ※開業場所、子どもの人数、職員数などにより上下するため、おおよその数値です。 |
保育所等におけるマスク購入等の感染拡大防止対策に係る支援 | 新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、保育所等の消毒に必要となる経費を補助するもの。 | 1施設当たり:500千円以内 |
保育園経営には思わぬ出費も多く、資金繰りが困難になる可能性も考えられます。これらの助成金を上手に活用し、より良い環境で保育ができるようにしましょう。
補助金について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
保育園運営のメリット
保育園経営は自分の理想的な保育を追求・実現できる場として魅力的です。保育園を運営するメリットとして以下のものが挙げられます。
- 初期投資が他の事業よりも少なくて済む
- 利益率が高め
- 在庫を抱えるリスクや多額な設備投資がない
- 安定した経営を見込める
園児は一度入園すれば卒園まで在籍する子が多いため、経営が安定しやすいです。初期投資が少なく、利益率が高いことも最大のメリットといえます。
保育園運営のデメリット
保育園経営にはメリットがある一方、リスクとデメリットも存在します。新規開園の場合、集客が難しく、経営が安定するまでには時間がかかる可能性があります。また、保育園での事故や感染症発生といった事態が発生した場合は、行政処分や評判悪化などのリスクがあるため、事故防止や安全管理に努めることが必須です。
認可保育園の場合は、経営が悪化したとしても簡単に閉鎖することはできず、継続的な経営努力が必要となります。保育園は子どもを預かる責任が大きく、しっかりとした覚悟が必要な仕事でもあります。
事故防止と安全管理について知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
まとめ
保育園経営に関してはリスクがついて回ることもあります。そのため、事前の基礎知識や準備が欠かせません。
保育園を運営するには、法律や地方自治体の規定に遵守することが大切です。また、顧客を獲得するための集客方法や、保育士の採用方法などを慎重に考え、運営を進める必要があります。
保育園運営のメリットやデメリットを把握し、自社の状況に合わせた判断をして、成功を目指しましょう。
保育士の採用をするなら保育のカタチがおすすめ
引用元:保育のカタチ
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