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はじめに
幼保施設では、人材の入れ替わりが激しいところも多く、年によって状態がバラつくこともあり、なかなかしっかりとした振り返りができていないところも多いのではないでしょうか。
毎年の採用活動で良い振り返りができると、
・次年度以降に良い人材が集まりやすくなる
・採用コストが下がっていく
・採用のナレッジが蓄積されて、再現性が上がる
などのメリットがあります。
この記事を読んで、是非次年度に向けた採用の振り返りをしてみてはいかがでしょうか。
なぜ採用の振り返りが必要で、重要なのか
根本的なところで、なぜ採用の振り返りが重要なのでしょうか。
採用の振り返りを行うことで
・次年度に向けた採用活動の課題の明確化ができる
・課題に対しての打ち手を考えられる
この2点を始めとした、次年度以降の対策ができるようになるからです。
次年度以降も、計画、目標作成、採用活動、振り返り、とサイクルを回していくことで、採用活動のナレッジが蓄積され、うまく行ったパターンの再現性が高まっていきます。
また、何のためにこの採用活動を行っていたのか、振り返りを行うことで採用の本来の目的、自園の強み弱み、などを見つめ直す機会にもなります。
採用の振り返りの際に重要な2つの視点
採用活動を振り返る際には、データや数値を元にした定量的な振り返りと、実際に採用後の状況を確認して自園に合っているかをみる定性的な振り返り、という2つの視点が重要です。
例えばデータではうまくいっているように見えても、実際には現場とのミスマッチが生まれていたり、データではうまくいっていないように見えても、現場とのマッチングがよかったり、という可能性があるからです。
両方の視点から確認することでそのズレを発見することができます。
ズレを発見したら、ズレの原因はどこにあるのか、埋めるにはどうすべきか、という打ち手を考えることで、採用の精度が高まります。
定量的な振り返り
定量的な振り返りとは、数字やデータに基づく振り返りです。
・応募者数
・書類選考通過数
・面接通過数
・内定者数
・入職者数
などの、採用時の数字や、HPの閲覧数、問い合わせ数、SNSのインプレッション数などのデータから振り返ります。
この際、比較が必要になるので、自園の過去データや競合園のデータなどと比較するために準備をしておくことが重要です。
定性的な振り返り
定性的な振り返りとは、応募者や内定者の「質」に注目して振り返りをすることです。
応募者はターゲットに合っていたのか、入職した人は自園と本当に相性の良い人だったのか、実際の働きぶりや、現場の声、本人からのヒアリングなど、情報収集をして、質的に振り返ることは非常に重要です。
単に数字で目標を達成したとしても、想定したターゲットと人物像が違った、自園との相性がよくなかった、という部分が違っていた場合は、本来の採用目的から外れてしまいます。
数字だけを追ってしまうと、この点に気付けなくなってしまいます。
入職後についてもしっかりと確認していくことが重要です。
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振り返りの進め方
毎年の採用活動をより良くしていくためには、このようなPDCAサイクルを回していくことが効果的です。
P:採用計画の立案
D:選考の実施
C:時間や費用といったコスト面や採用人数、応募者数、募集した人数の値を評価
A:強みや弱み、課題などの対処法を検討し翌年度の採用計画を練る
それでは実際に、どのようにして振り返りを進めていくかをご紹介します。
採用の目的や目標を再確認する
まずは、当初の採用の目的や目標を再確認します。
当初立てた予算や各採用フェーズにおいての目標数値を確認しましょう。
項目としては
・採用予算
・母集団形成(応募者集め)
・応募者数
・面接者数
・内定者数
・採用数(予定人数)
と、目標に対してどのような施策を行ったのかを洗い出しておきます。
【定量】データなど、数値で分析する
次に、目標に対して、実際の数字はどうだったのかをデータ化します。
ここでは、達成か未達か、という点も重要ですが、例えば達成だったとしても、応募から面接者に進んだ人の割合がどのぐらいだったのか、それぞれ通過率などを出しておくことで、どこにボトルネックがあったのかなどの分析や、打ち手を考えることができ、PDCAの精度が高まります。
データを出した上で、数値について分析を行います。
・集客数(説明会、HP、求人サイト、SNSなど、経路ごとに数字を出す)
・集客数からの応募率(採用経路ごとに数値を出す)
・選考プロセスに沿っての応募者数の推移
・内定の辞退率
などが分析の元になる項目です。
データの分析には、エクセルなどの計算ソフトや、応募者管理のシステムを使うのが、効率を上げるために重要です。
【定性】採用した人材が現場にフィットしているか情報収集する
定性的な視点でも振り返りが必要です。
どのような項目を指標にするのかは園によって異なりますので、自園に合った指標を考えてみましょう。
定性的な振り返りの際の情報収集の例
・現場の職員へのヒアリングやアンケート
・入職者本人へのヒアリングやアンケート
・人事担当からの評価
など、情報収集を実施した上で、指標をクリアしているかを確認することが重要です。
分析結果を元に、次年度のための仮説を立てる
この数値やヒアリング結果を元に課題についての仮説を立て、次年度以降の打ち手として検証していきます。
例えば、応募者が少なかったことに対する仮説として、
仮説1:応募者の数字が少ないのは、自園と同一の地域(自治体)にしか求人を出さなかったことが原因ではないか
仮説2:通勤圏内を少し広げて、近隣の地域(自治体)にも求人を出せば応募者が増えるのではないか。
という仮説を立てたとしたら、
打ち手:近隣の地域(自治体)にも求人を出してみる
という施策を次年度に実行してみることが可能になります。
そのほかにも、
成功パターンに共通するポイントを洗い出す
失敗パターンに共通するポイントを洗い出す
施策通りに行えなかったことの原因を洗い出す
施策通りに行って失敗したことの原因を洗い出す
施策通りに行って成功したことの原因を洗い出す
勝ちパターンを強化するための課題と打ち手を考える
負けパターンの課題と打ち手を考える
このように、次年度への課題発見と打ち手を整理して言語化していきます。
次年度の採用計画を作成する
以上のように、分析と打ち手を考えて、次年度の採用計画を作成します。振り返りの目的は、以前の経験を生かして、より効果的な採用戦略を構築することです。
ひとつずつ
・なぜ今年の採用ではうまくいかなかったのか
・どうすれば達成できるか
を確認しながら、採用計画を立てていきます。
この採用計画の作成が振り返りの締めの部分にあたります。
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分析・振り返りの際の注意点
採用の振り返りの際に注意すべきポイントをご紹介します。
振り返っただけで終わらない
振り返りの際にありがちなこととして、振り返り、分析をしただけで終わってしまう、ということが挙げられます。
こういうことが原因だった、と理解したことで満足してしまい、改善のためにどうするのか、という部分まで落とし込めずに次年度を迎えて、結果昨年と同じことをやってしまっていた、ということはままあります。
必ずゴールとして、次年度の採用計画や、アクションプランまで作成しておくことが重要です。
短期で改善できること、中長期で改善することなど、時間軸で改善していく
採用活動の振り返りを行っていくと、課題がたくさん見えてきて、何から手をつけていいか分からない、という状況に陥ってしまったり、意気込みすぎて全部同時に改善しようとして、リソースが足りなくなってしまう、という問題が起きてしまうことがあります。
重要なのは時間軸とリソースから、優先順位をつけて取り組むこと。短期で取り組む必要があるのか、中長期で改善していくことなのか、課題ごとに整理しておくことが大切です。
競合の動きもみる
もちろん地域差もありますが、採用には競合園が存在します。自園と競合の比較や、競合の動きを追っておくことは重要です。自園以上に競合が採用に力を入れていた場合、少しの変化では競合に負けてしまう可能性もあります。
どのような打ち手をとるかを考える時には、競合の動きも参考にすることが大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
採用の振り返りは、みるべきポイントや必要な情報も含めて、しっかりと当初からデータを取っておくことも重要です。
いざ振り返りをする段階で、データがありません、という状況は避ける必要があります。
何のデータを取っておくべきなのか、データを使ってどのように振り返るのか、この記事を参考に効果的な振り返りをして、次年度の採用につなげましょう。
もしうまく振り返りができない時は
振り返りをしてみたけどうまくいかない、どのようにしたら良いのか分からなくなってしまった、などのお悩みが出てきた場合は、ぜひ保育のカタチにご相談ください。
採用コンサルタントが、御社の採用活動について、丁寧なヒアリングから一緒に振り返ることで、課題の発見や今後の打ち手を見つけるお手伝いをさせていただきます。
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