登降園管理システムとは?メリットやデメリット・導入する際のポイントなどを解説

登降園管理システムは業務の効率化だけでなく、子どもたちの安全確保にも重要な役割を果たします。しかし、導入するにあたっては、システムの選定から管理まで、慎重に進めるべき多くのポイントが存在します。

この記事では、登降園管理システムのメリットとデメリット、導入時の重要ポイントについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

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目次

保育士の採用をするなら保育のカタチがおすすめ

引用元:保育のカタチ

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登降園管理システムとは?

「登降園管理システム」とは、園児の来園および帰宅のタイミングや出席状況をデジタル的に把握できる、ICT機器を活用したシステムです。

ICカードやタッチパネル・バーコードなどの認証手段を用いることで、園児一人ひとりの登園や降園の時刻を正確に把握できます。その情報をもとにして保育日数や延長サービス利用時間を算出したり、保育費用を計算したりすることが可能です。

登降園管理システムの便利な機能として、子どもの登園や降園したことを保護者に通知できることが挙げられます。登園バスの利用やシッターさんにお願いしたときなど、保護者の送迎がない場合には、このシステムが大いに役立つでしょう。

登降園管理システムは、保育園だけではなく、保護者にとっても役立つ機能が搭載されています。

登降園管理システムが求められている理由

登降園管理システムが求められている理由として、保育士の業務過多が挙げられます。保育士が手作業で行っていた煩雑な園児管理作業をデジタル化でき、日々の仕事の負担を軽くする効果があるため、業務量の軽減に役立つでしょう。さらに、保育料の計算の自動化など、管理の効率化を図るための機能も充実していることから、さまざまな場面で役立ちます。

また、保護者と園との連絡をよりスムーズにし、子どもたちの安全を第一に考えて管理ができます。

登降園管理システムの種類

ここからは、実際の登降園管理システムの種類を紹介します。

  • タブレットを使うタイプ
  • カードを使うタイプ

登降園管理システムを導入する際は、保育園の状況や保護者の利便性を考慮して選択しましょう。

タブレットを使うタイプ

タブレットを利用した打刻システムは、保育施設に専用の端末を備え付けておき、子どもを送り迎えするときに必要事項を入力するシステムです。メリットと注意点として、以下のものが挙げられます。

メリット
・設置が簡単
・保護者が直接操作することで正確な打刻が可能
・カードの紛失リスクがない

注意点
・保護者が操作方法に慣れる必要がある
・機器が正常に動作していないと登降園記録ができない

カードを紛失するリスクやプライバシー情報を持ち歩く負担など、カード方式にみられる懸念がない点が大きな利点です。

カードを使うタイプ

ICカードを使用した打刻システムは、施設内の対応した端末に触れるだけで打刻が完了するタイプです。メリットと注意点として、以下のものが挙げられます。

メリット
・操作が簡単で素早く打刻が可能
・手が塞がっていても、かざすだけで登録できるため便利
・既存の交通系ICカードを利用できる場合は、保護者の手間が省ける

注意点
・カードを忘れたり紛失したりするリスクがある
・カードの発行・管理にコストがかかる場合がある

カードを使うタイプは専用カードだけではなく、既に普及している交通系のICカードを使用できるところもあります。

ICカード方式は、煩雑な操作を必要とせず、カード1枚をかざすだけで手早く登降の記録をつけることができて便利です。そのため、手が塞がっている状況でもスムーズに打刻することが可能です。

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登降園管理システムを導入するメリット

ここからは、登降園管理システムを導入するメリットを紹介します。

  • 登降園管理の簡易化が図れる
  • 出欠管理の効率化が図れる
  • 子どもの人数をリアルタイムで確認できる
  • 保育料を計算する際のミスを防げる
  • 保護者とのコミュニケーションが取りやすくなる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

登降園管理の簡易化が図れる

ICTシステムによる登降園の打刻・管理は、保育施設にとって非常に有効な手段です。ICTシステムを導入する前には、書類やホワイトボードに手作業で記録する方法が一般的でしたが、こうした作業は細心の注意を払って行っても、ミスが発生する余地がありました。

手作業による時間の記録や口頭での連絡が必要なくなることから、手作業によって生じ得るヒューマンエラーを減らすことができます。

出欠管理の効率化が図れる

手書きでの記録や電話での連絡は、時間と労力を要する作業です。忙しい中で行うと、ミスが起こる可能性があります。

ICTシステムなら自動でデータを管理・蓄積し、一覧で確認できるため、出欠管理の効率化が図れます。

登降園業務が簡略化されることで、保育士と子どもたちとの関わりの時間を増えることから、保育園全体の質の向上にも役立つでしょう。

子どもの人数をリアルタイムで確認できる

先述したとおり、以前は出欠状況を書類やホワイトボードに手作業で記録する方法が一般的でした。しかし、その方法だとリアルタイムの更新は難しく、正確さも保障されませんでした。

ICTシステムでは更新の即時性が生まれ、リアルタイムで確認できることから、施設内で瞬時に正確な情報共有を実現できるようになります。

保育料を計算する際のミスを防げる

保育園での保育料は、各家庭の収入によって変わります。以前はよく、保育士の方が手作業で保育料を計算し、それを保護者の方へ請求する方法が取られていました。しかし、手作業の場合は計算間違いや記録のし忘れなどの失敗が起こりやすく、保護者の方との間でトラブルが発生することも少なくありませんでした。

登降園管理システムは、出欠の記録から保育料の計算まで自動で行ってくれるため、ミスを減らしトラブルを防ぐことが可能となります。

保護者とのコミュニケーションが取りやすくなる

登降園管理システムを使うと、家族と園とのやり取りがよりスムーズになります。通園管理システムの多くは、オンライン上で保育園とやり取りしたり、園からのおしらせを送信できたりする便利な機能が付いています。

これまでは電話が主流でしたが、登降園管理システムであれば、互いに電話でのやり取りが不要となるでしょう。時間を気にせず連絡が取れるため、保護者とのコミュニケーションがよりスムーズになります。

登降園管理システムを導入するデメリット

登降園管理システムは上記で紹介したとおり、非常に便利なツールです。しかし、このシステムを導入する際には、いくつかのデメリットも考慮する必要があります。

ここからは、登降園管理システムのデメリットを3つ紹介します。

費用が発生する

デメリットの1つ目は、システムの導入や運用には費用がかかることです。

初期投資としてのシステム導入費用はもちろん、定期的なメンテナンスや更新に伴うコストも発生します。これらの費用を事前に把握し、保育園の経営状況に合わせて検討することが求められます。

操作方法を覚えなければならない

2つ目のデメリットとして、保育園のスタッフや保護者が新しいシステムの操作方法を覚えなければならない点が挙げられます。

パソコン操作に不慣れな保育士の方がいる場合、登降園管理システムを導入しても、すぐに効率的な運用ができるとは限りません。初回の導入時にはユーザー研修を行う必要があり、習得には時間と労力がかかる可能性があります。

セキュリティ対策をしなければならない

デメリットの3つ目は、セキュリティ対策が必須な点です。データ漏洩や不正アクセスへの対策が求められます。導入する際は、セキュリティインシデントが発生した場合を想定したり、対応マニュアルを作成したりする必要があります。

登降園管理システムの選び方

登降園管理システムを選ぶ際は、以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。

  • 操作が直感的かつシンプルである
  • 保育園で必要とされる機能が含まれているシステムを選ぶ
  • サポート体制が整っているかどうか
  • 初期コストだけでなく、ランニングコスト(維持費用)も含めて総合的に検討する

保育士が操作することが多いため、保育士の立場に立って、迅速に使いこなせるかどうかの判断が必要です。デモ版を試したり、操作説明会に参加したりして、日常業務で使いやすいかどうかをしっかりとチェックしておきましょう。

おすすめのICTシステムを知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

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登降園管理システムを導入する際のポイント

最後に、登降園管理システムを導入する際のポイントを3つ紹介します。

  • 保護者に導入する目的を伝える
  • 導入前のルールは厳格に決めないようにする
  • わからないことがあったら教えあう

それぞれ詳しく見ていきましょう。

保護者に導入する目的を伝える

登降園管理システムを導入する際は、保護者に導入する目的を伝えることが重要です。「子どもたちの安全管理強化と情報の正確な共有」が目的であることと、それに伴いより良い保育を提供できるようになる点を強調しましょう。

登降園のプロセスがスムーズになり、結果的に保育者と保護者様双方の負担軽減にもつながると伝えると、理解を得やすくなります。

導入前のルールは厳格に決めないようにする

新たにシステムを導入する際は、最初から厳格なルールを設けると柔軟な運用が難しくなりがちです。

「試験導入」をして職員や保護者が慣れられるように配慮しましょう。本導入する際は、実際の運用に合わせて、徐々に適切なルールを設定していくようにすると、職員や保護者も受け入れやすくなります。

わからないことがあったら教えあう

保育士同士で使い方を教えあうことで、結果的にシステムを有効活用できるようになるでしょう。

操作に長けた保育士が他の保育士の手本になったり、小さな研修セッションを開いたりすることで、全員が同じレベルでシステムを活用できるようになります。教えあうことで、職員間のコミュニケーションが活性化し、作業効率の向上にも寄与します。

まとめ

登降園管理システムは、現代の保育園や幼稚園における効率化と保護者に安心を与えるのに重要なツールです。

導入に際してはコストやプライバシーの管理、技術的なトラブルへの対応など、考慮すべき点もありますが、業務の効率化が図れたり、ミスを防げたりするメリットもあります。

導入する際は、職員や保護者のニーズに合ったシステムを選択するようにしましょう。

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引用元:保育のカタチ

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この記事を書いた人

株式会社シェンゲン執行役員、人事責任者
「保育のカタチ」事業責任者、採用支援コンサルタント

前職ではリクルートの代理店にて、7年間1,000社以上の採用支援を担当。シェンゲン入社後は、幼保業界の「人」に関する問題解決に特化した専門家集団「保育のカタチ」を立ち上げ、事業責任者として従事。

保育園の統括マネージャーとして運営にかかわりつつ、保育士転職サービスでのキャリアサポートや、保育園への採用コンサルタントも行う。

採用活動を内製化する伴走型の採用支援や保育士向けの研修、紹介予定派遣などのサービスを公共機関や幼保施設の運営法人に向けて提供中。祖母、母、妹が保育士という保育士一家で育った。

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