企業主導型保育園とは?保護者にとってのメリット・デメリット、向いている保育士さんのタイプや給料は

「企業主導型保育園って?」「どんな人が向いている?」

このような疑問を思う人もいるでしょう。

保育士として働く場所を探す際に、一般的な保育園ではなく、認可外保育園に該当する企業主導型保育園を検討する人も多いです。そこで本記事では企業主導型保育園で働くメリットやデメリット、働くのが向いている人について解説します。

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目次

企業主導型保育園とは?

企業主導型保育園とは、企業が主に従業員の子どもを保育するために運営している保育施設です。目的は「従業員の多様な働き方に応じた柔軟なサービスを提供する企業を支える」ことや「待機児童の解消」です。平成28年から内閣府によって始められた制度ですが、これまでに4,000以上の企業主導型保育園が開園しています。そんな企業主導型保育園の特徴としては以下の通りです。

  • 企業が従業員の働き方に応じて、柔軟なサービスを提供可能
  • 夜間や土日、短時間勤務の人でも対応が可能
  • 複数の企業が共同で施設を開園したり、利用できる
  • 地域の子どもを受け入れることによって地域貢献ができる
  • 認可保育園にはならないが、運営費は同程度の補助を受けれる

企業主導型保育園は要するに、企業がつくり運営していく保育園と言うことです。

企業主導型保育園と認可外保育園の違い

企業主導型保育園は自治体の認可を受けていないため、認可外保育園となります。企業主導型保育園と通常の認可外保育園との違いは主に運営が企業であることです。

また、認可外であるのに整備費や運営費の助成金を受けれるのが、一般的な認可外保育園との違いです。

企業主導型保育園の入園条件は?

企業主導型保育園は誰でも入園できるわけではありません。企業主導型保育園は、子どもを受け入れる定員枠があります。受け入れている枠には「企業枠」と「地域枠」があります。

  • 企業枠:企業主導型保育園を設置した会社の従業員の子ども。あるいは提携している企業の従業員の子ども
  • 地域枠:従業員枠以外の子ども。

企業枠だと保育料が割引されたり、優先的に入園できる場合があります。企業枠で入園するには、勤めている企業が保育園を設置しているか、他の保育園を設置している企業や事業者と利用提携を結んでいる必要があります。

一方で、地域枠は最大でも定員の5割となっているので、定員に空きがあっても入園できない可能性があります。中には地域枠を設けていない保育施設もあるので注意が必要です。

その場合は、勤め先が企業枠を持っている会社と契約を結んでもらって入園する方法があります。設置会社の従業員でなくても「共同利用契約」を企業同士が結ぶことで、一定の入園枠を締結した企業に譲渡することが可能です。共同利用契約を締結した企業の子どもは「企業枠」として入園できるので、「地域枠」の上限を気にする必要がありません。

また、「企業枠」や「地域枠」のいずれも、就労要件等を満たしているか、保育の必要性が認められる必要があります。

保育の必要性とは以下のような事柄があり、いずれかに該当する必要があります。

  • 就労
  • 妊娠や出産
  • 保護者の疾病や障害
  • 同居人や長期入院している親族の介護
  • 看護
  • 災害復旧や求職活動
  • 就学

企業主導型保育園の保育料は?

一般的な認可保育園だと利用者の所得に応じて保育料が決まります。しかし、企業主導型保育園は認可外保育園になるので、保育料は提供するサービスによって事業者が自由に決めることが可能です。

しかし、自由に決めれると言っても、一定の水準額があり、定められた水準を超えて料金を設定することはできません。企業主導型保育園では、利用者負担額として、以下の通りに定められています。

  • 0歳児:37,100円
  • 1〜2歳児:37,000円
  • 3歳児:26,600円
  • 4歳児〜:23,100円

運営費用は国から助成金が出ているので、利用しやすい保育料となっています。また、会社の福利厚生として従業員の保育料を無償化することも可能です。一方で、保育の質の向上のために追加徴収で水準よりも高くなる場合もあります。その場合は、徴収理由を書面で説明する義務があるので、各施設に確認しましょう。

企業主導型保育園で働くメリットは

ここからは企業主導型保育園で働くメリットについて解説します。

給料や福利厚生が充実している

1つめのメリットは、給料や福利厚生が充実していることです。保育園によっては、運営企業の給料や福利厚生をそのまま反映させているところも多く、一般的な保育施設と比べると待遇がよい傾向があります。

待遇面は母体となる企業によって影響を受けるので、企業の規模や経営状況によっても変わってきます。

自分の子どもも預けられる

企業主導型保育園で保育士として働きながら、「企業枠」を利用して自分の子どもも預けることが可能です。

フレックスタイムや時差出勤など子育てしながら働く人の生活に合わせて柔軟に勤務することができるので、保育士さん自身の子育ての負担も軽減されます。

保護者と連絡をとりやすい

企業主導型保育園の近くに保護者が勤めている企業があることが多いので、何か緊急事態が起こったときは保育施設と保護者の連絡が取りやすく、早急な対応がしやすいです。

企業側も早退などの対応をとってくれるでしょう。近くに保護者がいると言うのは、保育士にとっても保護者にとっても安心感があります。

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企業主導型保育園で働くデメリットは?

保育士の職員数が少なく責任範囲があいまい

まず、1つ目のデメリットとしては、保育士の職員数が少なく責任範囲があいまいなことです。企業主導型保育園は全職員の半数以上の人が資格をもっていればよいため、無資格の人や、パートで働く人もいるので、保育士資格保有者に求められる仕事の責任範囲が保育園によって重くなる場合もあります。

定員割れにより閉園になるリスクがある

企業主導型保育園は、助成金は出ていますが、基本的には利用者自身の保育料で賄われています。そのため、定員割れが起こってしまうと、運営が困難になり閉園することもあります。

企業によって不規則なシフトになりやすい

企業主導型保育園はさまざまな働き方に対応しているため、不規則なシフトになりやすいデメリットがあります。企業主導型保育園は、常勤だけではなく非常勤や夜間勤務など柔軟な対応をしてくれるので、24時間保育や夜間保育を行うこともあります。

保育園によっては夜間勤務など不規則なシフトになることがあるので、生活リズムも複雑になってしまうのはデメリットです。

企業主導型保育園に向いている人は?

企業主導型保育園のメリット・デメリットを踏まえて、働くのが向いている人についてご紹介します。

  • 保育士の仕事と保活を両立させたい人
  • 負担の少ない仕事をしたい人
  • アットホームな環境で働きたい人

企業主導型保育園は自身の子どもも預けることができるため、保育士の仕事と保活を両立させたい人におすすめです。自分の子どもを「企業枠」で入園させられる場合があるので優先的に子どもを預けられます。子どもの預け場所と保育士としての仕事を探している人にとって向いている環境です。

また、一般的な保育園と比べると、0歳〜2歳の乳児がメインで、子どもの数も少ないことから仕事における負担が軽いです。イベント事は多くなく残業が少ない傾向であるため軽い負担で働きたい人にも向いています。

しかし、負担が軽いと言うことは仕事の幅が狭いと言えます。一般的な保育園であれば、3歳以上の子どももいるのでアクティブな子どもへの接し方を身に着けることができたり、イベントの企画や運営ができたりします。そのため、保育士として幅広い経験を積みたい人にはあまりおすすめできません。

企業主導型保育園は少人数であることが多く、保護者との距離も近い傾向があるため、家庭的な雰囲気で働けます。アットホームな雰囲気で働きたい人にもおすすめの環境です。

企業主導型保育園のお給料は?

企業主導型保育園での給料は一般の保育園と比べると高い傾向があります。月給の相場は22〜25万円に設定されています。保育士で高収入を目指すのであればおすすめです。

しかし、運営する企業によって給料は左右されることがあるため、業績のよい企業であれば給料等の待遇面がよくなることが見込めます。中には企業の従業員と同じくらいのボーナスがもらえることも。逆に、業績があまりよくない場合は園内の職員にも影響が出る可能性があります。

まとめ

今回は企業主導型保育園について解説しました。内閣府によって始められた制度ですが、企業が主に従業員の子どもを保育するために運営している保育施設です。認可外保育園に該当しますが、国からの助成金によって質の高いサービスを提供できます。

企業主導型保育園は少人数の保育施設で、メインは0歳〜2歳の乳児なので、仕事としては負担が軽くアットホームな環境です。しかし、企業主導型保育園で働くにあたって、メリットだけではなく、デメリットもあるので、どちらも踏まえた上で、自分に向いているのかどうか判断するのが大切です。今回紹介した企業主導型保育園について、今後の働く保育所選びの参考になれば幸いです。

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