保育指導案はどう書けば良い?種類や内容例・年齢別のポイントなどを紹介

保育士が日々の業務で直面する大きな課題の1つが、保育指導案の作成です。保育指導案は、子どもたちの成長や発達を計画的にサポートするための重要なツールです。しかし、どう書けば良いのか迷ってしまうことも少なくありません。

この記事では、保育指導案の基本的な種類や内容例を詳しく解説し、さらに年齢別に考慮すべきポイントも紹介します。初心者から経験者まで、幅広い保育士の方々に役立つ内容を提供し、日々の保育活動をより充実させるためのヒントをお届けします。

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目次

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引用元:保育のカタチ

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保育指導案とは?

保育指導案とは、子どもの保育活動を明確にするために設定する目標や内容を含んだ計画書のことです。

保育所では、全体的な計画に基づいて、子どもの生活や発達を見据えた「長期的な指導計画」と、日常の生活に即した「短期的な指導計画」の両方を作成することが求められます。「保育所保育指針」にも明示されているますが、子どもの成長を見通すために重要な役割を果たします。

長期的・短期的な計画の構成は以下のとおりです。

【長期的な計画】
年間計画
月案

【短期的な計画】
週案
日案

保育を実施する際には、各指導案が重要な役割を果たします。各園によってフォーマットは異なりますが、基本的な目標や内容は共通しているケースが多いです。園に合う保育指導案を作成するためには、保育指針や園の理念に従って作成することが大切です。

保育指導案の種類

保育の現場では、各種の指導案が重要な役割を果たしています。子どもたちの成長を支援し、教育活動を計画的に進めるための基本的な指針となります。具体的には、年間計画(年案)・月案・週案・日案の4種類が存在します。それぞれの特徴と役割を詳しく見ていきましょう。

年間計画(年案)

年間計画または年間指導計画は、年度初めに作成される1年を通した指導計画です。通常、学年のリーダーや主任保育士が中心となって作成します。

年間計画では、季節ごとのイベントや行事に合わせた活動が設定され、年間を通じての保育活動が長期的な視点から計画されます。春の遠足や夏のプール遊び・秋の運動会・冬のクリスマス会など、各季節に応じた行事や活動がスケジュールされ、計画に基づいて保育が展開されます。

月案

月案は、年間計画をベースにした月単位の保育指導案です。

月案は、前月の子どもの様子や季節の行事、課外活動などを考慮して毎月作成されます。年度初めに新年度のスタートに向けた活動を計画します。夏にはプール遊びや夏祭り、秋には遠足や運動会などを取り入れることが一般的です。

週案

週案は、月案で設定されたねらいを達成するための週ごとの計画です。週案は、子どもの興味や遊びの発展具合、天候などの細かい要素を踏まえながら、具体的に作成されます。1週間単位で細かく計画を立てることで、子どもたちのその時々の状況に合わせてきめ細やかな保育が可能となります。

日案

日案は、1日の流れを時系列で記した指導案です。実際の保育の流れを具体的にイメージし、活動内容に合わせた環境作りや保育の方法を詳細に計画します。朝の自由遊びから始まり、集会・午前の活動・昼食・午後の活動・お昼寝・帰りの集会など、1日の流れを時系列で示します。

保育指導案に記載する項目と内容例

保育指導案は、子どもたちの成長をサポートするために、計画的かつ効果的な保育活動を実施するための重要なツールです。以下では、保育指導案に必ず記載すべき項目と内容を詳しく説明します。

ねらい

「ねらい」とは、保育活動で達成したい具体的な目標や目的のことです。具体的な保育活動の方向性を示すものであり、次に挙げる「内容」や「環境構成」などと密接に関連しています。

具体的な遊びや活動の内容

「内容」には、上記の「ねらい」を達成するための具体的な活動や遊びの細部を書きます。具体的な活動の詳細を明示することで、保育士自身も子どもたちに適切に指導しすくなります。

たとえば「社会性の発達」をねらいとするなら、内容は「子どもたちが友達と一緒に遊ぶことで、協力し合うことの楽しさや大切さを学ぶ」となります。

予想される園児の姿

「予想される園児の姿」とは、子どもたちが活動を通して、どのような成長や反応が期待されるかを記述します。

子どもたちが活動に参加し、どのような成長を遂げるかを事前に予想しておくことは、保育活動をより効果的にするために重要です。

環境構成

環境構成には、「ねらい」や「内容」を実現するためにどのように環境を整えるべきかを記載する必要があります。保育者や身近な大人などの人的な環境だけでなく、子どもたちが日常的に触れ合う物や空間に対する物的環境も含まれます。

環境構成の書き方は、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

保育者の援助

保育者が実施すべき行動やサポート方法、そして子どもの反応も考慮することが必要です。

  • 保育者と楽しむふれあい遊び
  • 保育者に抱かれることで安心し、快適に過ごす

内容を考える際は、目標との関連性を意識することが大切です。目標を達成するためにどのような活動を行い、子どもがどのように成長すべきなのかを保育者の目線で考えてみましょう。

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【年齢別】保育指導案を作成する際のポイント

適切な保育指導案を年齢ごとに作成することで、子どもたちの発達をサポートし、豊かな学びの場を提供できます。ここでは、0歳児から5歳児までの各年齢層に合わせた保育指導案作成のポイントを解説します。

0歳児

0歳児の保育では、健やかに伸び伸びと育つことを重視し、安全で快適な環境を整え日常的なケアをすることを重視しましょう。適度な触れ合いや抱っこを通じて筋肉の発達を促します。

さらに、身近な人と気持ちが通じ合うように、対話やスキンシップを通じて信頼関係を深め、安心感を与えることも大切です。

1歳児

1歳児になると、身体的な関わりが多い中で子どもが自ら成し遂げる活動を重要視します。

自己主張や自己完結への意欲が見られ始めるため、体の動かし方を自分で把握できるようにする活動を取り入れましょう。小さな成功体験を積むことによって自信を付けることができ、日常的な関わりを通じて深い信頼関係を築くことが必要です。

2歳児

2歳児の保育では、月齢や発達段階に応じた個別対応が求められます。1人ひとりの発達に合わせた援助や活動を計画し、コーナー遊びなどを取り入れましょう。

子どもの興味に合わせた環境を整えることで子どもの自主性を育み、学びの意欲を引き出すことが大切です。

3歳児

3歳児になると体の自由がより感じられ、多くの経験が学びに繋がります。そのため、具体的な「ねらい」を持った活動が増え、年案を意識した計画が必要となります。

多様な体験の提供を通じて、子どもたちの好奇心を刺激し、学びが広がるような環境を作るようにしましょう。また、社会性を育むための集団での活動や他者との協力を促す活動も積極的に取り入れるのがおすすめです。

4歳児

4歳児は人間関係において共同的な取り組みができるようになり、社会性が一段と発達する時期です。保育指導案では、個々の発達状況に応じた柔軟な「ねらい」を設定することが重要です。

「ねらい」に基づいた遊びを提案し、保育者の援助方法も考慮しながら、子どもたちが主体的に遊べるようにしましょう。活動を通じて、自信を持って他者と関わり、協力する力を育てられます。

5歳児

保育園生活の最終学年である5歳児に対する「ねらい」には、保育所保育指針に記されている「10の姿」に触れていく必要があります。「10の姿」とは、幼児期の終わりまでに育って欲しい姿であり、小学校への架け橋となるものです。

年案には「10の姿」に触れるねらいを制定しせ、具体的な活動計画を立てることが大切です。

「10の姿」については、以下の記事をご覧ください。

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保育指導案を作成する際のコツ

保育指導案でとても大切なのが、日々の子どもの観察と保育者の共通認識です。保育者は子どもの発達や様子をよく観察し、それに基づいて指導案を作成します。子どもが特定の遊びに興味を示している場合、その興味を深めるための活動を計画し、子どもの探求心を育むようにしましょう。

また、クラス担任同士で共通認識と方向性を決めておくことも非常に重要です。認識や方向性のズレは、保育者間の雰囲気に大きく影響し、子どもが戸惑う原因となる可能性があります。保育者間でしっかりと話し合い、共通の目標に向かって取り組む姿勢を持つことが重要です。

クラス運営を円滑に進めるためのコツは、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

保育指導案には「ねらい」から「保育者の援助」まで、全方位から子どもたちの成長を支援するための具体的な計画を詳細に記載することが重要です。

指導計画は、保育士間の共通理解を作るための重要なツールともなります。丁寧に計画を立てることで、保育士も安心して活動に取り組むことができ、子どもたちの健全な成長をしっかりとサポートできます。作成した後は、クラス担任間で共有することで、日常の保育が円滑に進んでいくでしょう。

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