保育士の給与が待遇改善によって引き上げられ、給料アップがしやすい職業に変わりつつあります。キャリアアップによる給与アップが望めない保育士は、離職率が非常に高く、慢性的な人手不足にあります。それらを解決するために、2022年2月より本格的に給与引き上げが実施され始めました。
そこで、この記事では、給与引き上げの対象となる保育士や金額・条件などを詳しく解説します。給与の引き上げについて気になる方は、ぜひ参考にしてください。
保育士の採用をするなら保育のカタチがおすすめ
引用元:保育のカタチ
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許可番号 | 厚生労働大臣許可番号有料職業紹介事業:27-ユ-303764 労働者派遣事業:派27-304996 |
雇用形態 | 正社員、契約社員、パート |
求人施設 | 保育園、幼稚園、認定こども園、病児保育、事業内保育、学童保育、託児所など |
対応エリア | 全国 |
連絡手段 | 電話番号:06-6210-5326 LINE |
保育士の給与が引き上げられた背景
保育士の給与が引き上げられた背景には、以下の3つが関係しています。
- 保育士の最も多い離職理由「給与の低さ」の是正
- 保育現場における人手不足の解消
- 新型コロナウイルス感染拡大における保育士の負担増加の補填
保育士の待遇改善によって、給与は月額9,000円ほど引き上げられ、約3%の年収増加につながりました。
保育士の給料事情を詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
保育士の給与引き上げの取り組み①保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業(処遇改善等加算Ⅲ)
「待遇改善等加算Ⅲ」は、保育士の給与引き上げを目的とする「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」の最大の施策です。
ここからは「待遇改善等加算Ⅲ」の概要や対象者について、詳しく解説します。
概要
先述した平均9,000円の月給アップは「待遇改善等加算Ⅲ」によるものです。
「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」は2022年10月に終了しましたが、それ以降も地方交付税措置による公定価格の見直しにより継続した補助が行われています。
加算される金額は「加算当年度の単価×加算当年度の加算Ⅲ算定対象人数×賃金改善実施期間の月数」で決まり、2023年度は以下のようになっています。
- 幼稚園:11,560円
- 認定こども園:11,280円
- 保育所:11,000円
事業所による金額の変動はあるものの、あらかじめ保育園から職員に対して加算額が周知されることになっています。
対象者・対象施設
待遇改善の対象となる施設は、幼稚園や保育園など保育現場にかかわる施設で、公立や私立などの区別はありません。
また、職種や勤務形態にかかわらず適用されます。契約社員、パートなどの非正規職員も対象となっており、保育に携わる人すべての給料がアップしています。
ただし、延長保育だけのように、通常の保育業務以外に従事している職員は、待遇改善の対象外となるため注意が必要です。
保育士の給与引き上げの取り組み②処遇改善等加算Ⅰ
保育士の給与引き上げは、先述した「待遇改善等加算Ⅲ」だけではありません。「処遇改善等加算Ⅰ」も給与引き上げの取り組みの1つとなっており、保育士の能力向上を目的として2015年から導入されています。
ここからは「待遇改善等加算Ⅰ」の概要や対象者、給与の引き上げに対する仕組みを詳しく解説します。
概要
「処遇改善等加算Ⅰ」は、保育士の雇用確保や能力向上を目的としたせいげで、勤務年数が大きく影響します。
以下のように、平均勤続年数が長くなればなるほど、加算率が高くなっていく仕組みです。
平均勤続年数 | 基礎分 | 賃金改善要件分 |
11年以上 | 12% | 7% |
10年以上11年未満 | 12% | 6% |
9年以上10年未満 | 11% | 6% |
8年以上9年未満 | 10% | 6% |
7年以上8年未満 | 9% | 6% |
6年以上7年未満 | 8% | 6% |
5年以上6年未満 | 7% | 6% |
4年以上5年未満 | 6% | 6% |
3年以上4年未満 | 5% | 6% |
2年以上3年未満 | 4% | 6% |
1年以上2年未満 | 3% | 6% |
1年未満 | 2% | 6% |
参照元:内閣府子ども・子育て本部「平成 30 年度子ども・子育て支援新制度市町村向けセミナー資料」
賃金改善要件分には、キャリアパス要件分に対する2%の加算率が含まれています。そのため、キャリアアップの要件を満たしていない場合は、賃金改善要件分から2%が差し引かれた加算率が適用される仕組みとなっています。
対象者・対象施設
「処遇改善等加算Ⅰ」の対象となるのは、以下の条件に該当する方です。
- 認可保育園などに勤めている正規雇用の職員
- 1日6時間以上かつ月20日以上勤務している非正規雇用の職員
パートやアルバイトの保育士も給与が引き上げられるため、保育士全体の給与引き上げに役立っています。なお、幼稚園や学校教諭・社会福祉事業施設や認可外保育施設・病院などの勤務経験がある方は、勤続年数を「処遇改善等加算Ⅰ」の勤務年数に含めることが可能です。
給与引き上げの仕組み
勤続年数が影響する「処遇改善等加算Ⅰ」は、基礎分と賃金改善要件分を合算した加算率が適用されます。「基礎分」は施設や事業所において、職員1人あたりの平均勤続年数に応じて上乗せされる部分です。
対象職員の勤続年数合計を人数で割った数値が、平均勤続年数となります。平均勤続年数が10年を超えると給与が12%加算される仕組みです。
「賃金改善要件分」の加算率は、保育にかかわる施設で賃金改善の取り組みが実施されている際に加算されます。賃金改善計画や実績報告をもとに、加算の可否が決定される仕組みです。
また、「賃金改善要件分」には「キャリアアップ要件」の2%が加算されており、以下の要件を満たせば支給されます。
- 役職や勤務条件、賃金体系を設定している
- 職員の能力向上計画や研修を実施している
保育士の給与引き上げの取り組み③処遇改善等加算Ⅱ
「処遇改善等加算Ⅱ」は、新たに制定された役職に就く保育士に対する給与引き上げ制度です。従来の役職者(園長・副園長・主任)だけでなく、新たな役職を設けて手当を支給することで、保育士のキャリアアップにつなげることを目的としています。
「待遇改善等加算Ⅱ」について、対象者や給与の引き上げに対する仕組みを解説します。
概要
「待遇改善等加算Ⅱ」は、保育施設の役職数を増やして手当を加算することで、キャリアアップと保育士の待遇改善を目指す施策です。
保育園における役職は、園長や副園長・主任保育士の3つしかありませんでした。多くの保育士にキャリアアップする機会を与えることを目的として、2017年に「処遇改善等加算Ⅱ」が導入されたのです。
その結果、若手や中堅層の保育士でもキャリアアップが可能となり、給料引き上げの機会が確保されるようになりました。
対象者・対象施設
「処遇改善等加算Ⅱ」の対象となるのは、認可保育園などに勤めている保育士で経験年数が3年以上の方です。保育士経験が3年未満の新人保育士や園長・副園長・主任保育士は該当しません。
新たに、職務分野別リーダーと専門リーダー・副主任の3つが役職として設けられました。各役職の要件は、以下のとおりです。
役職 | 要件 |
職務分野別リーダー | ・保育士経験:3年以上 ・担当する分野の研修を修 |
専門リーダー | ・保育士経験:7年以上 ・職務分野別リーダーの経験あり ・4分野以上の研修を修了 |
副主任 | ・保育士経験:7年以上 ・職務分野別リーダーの経験あり ・3分野以上の研修とマネジメント研修を修了 |
各役職に就くためには、以下のキャリアアップ研修を修了していることも条件となっています。
- 乳児保育
- 幼児教育
- 障害児保育
- 食育・アレルギー
- 保健衛生・安全対策
- 保護者支援・子育て応援
各役職について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
給与引き上げの仕組み
「処遇改善等加算Ⅱ」による待遇改善で加算される金額は、役職によって異なります。職務分野別リーダーは月額5000円、専門リーダーや副主任は月額40,000円です。
加算される手当の配分方法は、保育施設にゆだねられています。1人あたりの配分金額が1ヶ月あたり5,000円以上40,000円未満という条件を満たしていれば、加算額を職員全員に分配し、職員全体の賃金を引き上げることも可能となっています。
保育士の給与引き上げの対象外となるケース
多くの保育士が処遇改善の対象になりますが、以下の2つは対象外となるため注意が必要です。
- 無認可の保育園で働いている
- 勤めている認可保育園が待遇改善手当の申請をおこなっていない
認可されていない保育園は、保育士の給料引き上げ対象外となります。そのため、給料アップを希望するのであれば、認可保育園への転職が必要となります。
これから保育士として働くことを考えている場合は、待遇改善が実施されているか否かを確認してから、勤務する保育施設を決めると良いでしょう。
給料を上げたい保育士はどうすれば良い?
給料を上げたい場合は、以下の3つの方法をおすすめします。
- 働いている保育園で出世する
- 資格を取得する
- 転職する
「保育士等キャリアアップ研修」を実施したことにより、保育園の役職が増えました。そのため、働いている保育園で役職を目指すのがおすすめです。役職に就くためには、実務経験が必須ですが、長く勤めれば勤めるほどキャリアアップの可能性は高まります。
また、保育園によっては、資格を取得すれば特別手当を支給してもらえるケースもあります。「リトミック指導員」や「絵本専門士」など、保育に役立つ資格を調べて勉強してみましょう。
一方、「今の保育園では給料アップが見込めない」という場合は、思い切って条件の良い保育園へ転職するのも良いでしょう。
転職を検討している方は、下記の記事もご覧ください。
まとめ
「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」をきっかけに、保育士の給与引き上げが実現されつつあります。2024年現在、保育士の離職率をさげるために、国はさまざまな施策をおこなっています。その結果、保育士の給与が改善され、給与アップが期待できるようになりました。
しかし、給料をアップさせるためには、実務経験やキャリアアップ研修が必須です。現状の給与に満足できない場合や現在の保育園で給与アップが見込めない場合は、転職を考えてみるのも良いでしょう。
保育士の採用をするなら保育のカタチがおすすめ
引用元:保育のカタチ
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雇用形態 | 正社員、契約社員、パート |
求人施設 | 保育園、幼稚園、認定こども園、病児保育、事業内保育、学童保育、託児所など |
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