高市政権で幼保業界・子育て支援はどう変わる?過去の発言から読み解く保育の今後

「家事や育児は、家庭だけが背負うものではない」

高市早苗首相が掲げる子育て支援策には、これまでの「現金給付」中心の議論から一歩踏み込んだ、新しいメッセージが込められています。

特に注目されているのが、「家事・育児支援の社会化(アウトソーシング)」と、それを支える「新たな国家資格」の構想です。

これらは、日夜子どもたちと向き合う保育施設の皆様にとっても、決して無関係な話ではありません。むしろ、これからの保育園経営やサービスのあり方を考える上で、非常に重要なヒントが含まれています。

今回は、高市首相の過去の発言やスタンスを紐解きながら、今後の保育業界の潮流を読み解いていきます。

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目次

1. 高市首相が描く「子育て支援」の全体像

まず押さえておきたいのは、高市政権が目指す子育て支援の「軸」がどこにあるかです。これまでの政策と比較すると、より「実用性」と「選択肢」を重視していることが分かります。

「現金」から「サービス」へ

これまでの少子化対策は「児童手当」などの現金給付が中心でした。しかし、高市首相は「お金があっても、サービスがなければ解決しない悩みがある」という点に着目しています。

必要なのは、現金だけでなく、ベビーシッターや家事代行、病児保育といった「具体的な手助け(サービス)」を、各家庭が必要な時に使える環境を整えること。これが基本スタンスです。

「家庭の自助」から「社会での共助」へ

「家族の絆」を大切にする保守的な地盤を持ちながらも、現代の共働き世帯の現実を直視し、「家庭だけで抱え込ませない仕組み(アウトソーシング支援)」を強く推進しています。

これは、保育園という存在がこれまで担ってきた役割が、さらに家庭の中(家事・育児支援)や地域へと広がっていく可能性を示唆しています。

2. 動画や発言から読み解く「2つの具体策」

高市首相がSNSや動画メディアなどで繰り返し発信している内容には、保育関係者として注視すべき具体的な政策が含まれています。特に重要なのが以下の2点です。

① 「家事・育児支援」の国家資格化

動画等でも語られている通り、ベビーシッターや家事支援サービスの質を担保するために、新たな国家資格(仮称「家政士」など)を創設する構想があります。

これは、「誰でもできる手伝い」ではなく、「プロによる支援」として位置付け直すことを意味します。保育士の皆様が持つ専門性が、施設の中だけでなく、各家庭への支援という形でも評価される時代が来るかもしれません。

② 利用料の「税額控除」で利用を当たり前に

もう一つが、その有資格者によるサービスを利用した場合、利用料を所得税から控除するという仕組みです。

「高くて使えない」と思われがちなベビーシッターや家事支援が、税制優遇によって「一般的な選択肢」になれば、保護者の意識も大きく変わります。

保育園のお迎え後の数時間や、病児の対応など、これまで「園でなんとかしてほしい」と要望が強かった部分を、外部サービスが補完する流れが生まれるでしょう。

3. 企業も巻き込んだ「支え合い」の拡大

高市政策のもう一つの特徴は、子育て支援に「企業の力」を積極的に活用しようとしている点です。

  • 企業主導の学童・病児保育への支援: 企業が従業員のために整備する保育環境に対し、法人税減税などのメリット(インセンティブ)を与える方針です。
  • 働きながら育てやすい環境づくり: 企業内保育所や提携保育園のニーズが、福利厚生の一環として改めて高まる可能性があります。

これは、保育事業者が一般企業と連携し、地域の子育てを支えるパートナーとして協業するチャンスが広がっているとも捉えられます。

4. これからの保育はどうなる?(今後の予測)

学童保育 種類

高市政権のスタンスを踏まえると、今後の保育業界には次のような変化が予測されます。

① 保育の「場所」が広がる

これまでは「保育園という建物の中で預かる」ことが中心でしたが、今後はベビーシッターや居宅訪問型保育など、「家庭や地域に出ていく保育」のニーズが高まるでしょう。

新しい国家資格の創設に伴い、保育士資格を持つ人材が、シッターや家事支援と組み合わせて活躍する場面も増えそうです。

② 保護者のニーズがより「個別化」する

税額控除などでシッター利用のハードルが下がれば、「今日は集団保育ではなく、自宅でゆっくり見てほしい」といった柔軟な使い分けが進みます。

選ばれる園であるためには、単に預かるだけでなく、園ならではの「集団生活の価値」や「教育的プログラム」をどう打ち出すかが、これまで以上に問われることになります。

③ 多様な連携がカギに

自園だけですべてを完結させるのではなく、地域の家事代行サービスや企業、他の保育施設と連携し、保護者をトータルで支える「ハブ(拠点)」のような役割が求められていくかもしれません。

5. 【種別・規模別】政策転換がもたらす「経営環境への影響」

最後に、今回の政策転換がそれぞれの運営形態にどのような「変化」や「現象」を引き起こす可能性があるのか、予測されることを整理します。

● 認可保育園への影響

「『施設保育』の独占的地位の変化」

これまでは「保育=認可園に預ける」がスタンダードでしたが、税制優遇によってベビーシッターや家事支援サービスの利用ハードルが下がれば、特に0〜2歳児層において「自宅での個別保育」という強力な選択肢が台頭します。 また、「こども誰でも通園制度」の本格化により、月極契約ではない「スポット利用」のニーズが常態化し、既存の定員管理や職員配置の運用モデルに修正を迫られる場面が出てくるでしょう。

● 企業主導型保育園への影響

「企業向け『福利厚生市場』の活性化と競争激化」

高市政策における「企業へのインセンティブ(減税など)」は、企業主導型保育事業にとって追い風となる反面、参入障壁を下げる要因にもなります。 一般企業が自社従業員のためにベビーシッター補助や病児保育枠の確保へ資金を回すようになるため、単なる「預かり場所」としての価値だけでは選ばれにくくなり、企業側から求められる契約条件(病児対応の有無や、柔軟な開所時間など)が高度化することが予想されます。

● 大規模法人への影響

「『家庭内支援』市場への参入機会と、人材獲得競争の変質」

新たな国家資格(仮称:家政士など)の創設は、保育事業者が「施設の外(訪問支援)」へ事業領域を広げる好機となります。 一方で、採用市場においては「保育士」と「家事支援者」の境界線が曖昧になる可能性があります。保育士資格を持つ人材が、より柔軟な働き方や給与条件を求めて「訪問型サービス」へ流出するリスクも孕んでおり、人材マネジメントの複雑化が進むでしょう。

● 小規模法人への影響

「『選ばれる理由』の明確化と、運営コストの圧迫」

大規模法人のような多角化が難しい場合、シッターや高機能な大規模園との「違い」がよりシビアに問われるようになります。 「集団ならではの育ち」や「地域密着の温かさ」といったソフト面の価値が再評価される一方で、ICT化や事務負担軽減が進まなければ、制度変更に伴う新たな事務コスト(誰でも通園の対応など)が経営を圧迫する懸念があります。


まとめ:今後の園運営について考えるきっかけに

高市首相の政策は、一見すると「家庭内支援」に重きを置いているように見えますが、その根底にあるのは「保育の選択肢を増やし、民間活力を最大限に引き出す」という市場原理の導入です。

これは、保育業界が「措置・認可」中心の守られた世界から、「サービス・品質」で選ばれる競争的な環境へと、本格的にシフトすることを意味しています。

この変化をただの脅威と捉えるか、それとも新たな成長の機会と捉えるか。 次代の保育経営には、制度変更を先読みした冷静な現状分析と、自園の強みを活かした戦略眼が不可欠となるでしょう。

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