小規模保育園とは?特徴、向いてる人、給料について解説

「小規模保育園って何?」「どんな人が向いているの?」

このような疑問にお答えしていきます。

近年、徐々に施設数が増えている「小規模保育園」ですが、特徴についてわからない人は多いです。そこで本記事では「小規模保育園」について、特徴やメリット・デメリット、働く上でどのような人が向いているのかについて解説します。

目次

小規模保育園とは

小規模保育園とは、0〜2歳の子供を対象とした、定員19名以下で運営される保育園のことです。定員5名以下の「家庭的保育」と定員20名以上の認定保育園の中間に位置します。これまでは認定保育園の基準として定員20名以上となっていましたが、2015年に施行された「子ども・子育て支援新制度」によって、認可事業となりました。

認定事業となることで、補助金や在線支援が出ます。さらに小規模保育園では、各自治体が自由に保育基準を定めることができるため、地域の保育ニーズにあったサービスを提供することができます。

小規模保育園の特徴

小規模保育園の特徴について解説していきます。

対象年齢は0歳~2歳の乳児

小規模保育園の対象年齢は0歳〜2歳になる子どもです。一般的な保育園で言うと乳児クラスに該当します。他の認定保育園だと対象となるのは0歳〜5歳までなので、対象となる年齢が大きく違います。

また、0歳から受け入れてくれる施設がほとんどで、生まれてから2ヶ月の子どもを受け入れ可能です。産休明けすぐにでも働きたい人には嬉しいサービスです。

小規模保育園の種類:A型・B型・C型

小規模保育園には種類があります。大きく分けて「A型」・「B型」・「C型」と3種類あります。それぞれの基準や違いについて確認していきましょう。

まずは「A型」の基準です。

  • 定員数:6名以上19名以下
  • 職員数:保育所の配置基準+1人
  • 職員資格:全員が必要
  • 保育室の面積:0歳・1歳は1人あたり3.30㎡ 2歳児は1人あたり1.98㎡

「A型」は一般的な保育所に近いです。職員は全員保育士等の資格が必要で従来の保育所よりも1人多く配置する必要があります。

続いては「B型」の基準です。

  • 定員数:6名以上19名以下
  • 職員数:子ども3人につき1人(補助者を置く場合は5名につき1人)
  • 職員資格:半分以上が必要
  • 保育室の面積:0歳・1歳は1人あたり3.30㎡ 2歳児は1人あたり1.98㎡

「B型」は「A型」と「C型」の中間に位置しており、職員の半分は保育士等の資格が必要です。

最後に「C型」の特徴です。

  • 定員数:6名以上10名以下
  • 職員数:保育所の配置基準+1人
  • 職員資格:家庭的保育者
  • 保育室の面積:1人あたり3.30㎡

「C型」は家庭的保育園に近く、市町村の一定の研修を終えた家庭的保育者が働けるようになっています。

小規模保育園の給料・待遇

小規模保育園で働く上で、気になるのは給料ですよね。小規模保育園の給料や待遇についてご紹介します。一般的な保育園との違いも併せて解説します。

職種常勤非常勤
私立保育園保育士
保育補助者
301,823円
223,584円
187,816円
168,568円
A型保育士
保育補助者
268,755円
235,183円
172,342円
170,387円
B型保育士
保育補助者
269,617円
231,115円
192,001円
161,931円
C型保育士
保育補助者
291,775円
250,117円
208,911円

小規模保育園の中だと、タイプによる違いはそこまで大きくありませんが、C型の保育士が一番高いです。

私立保育園と比べると給与には差があります。これは行事等の仕事量や残業や持ち帰りの仕事が小規模保育園よりも多いことが理由の一つです。

もちろん、こちらのデータはあくまでも平均であるため、働く地域や勤続年数によっても変わります。実際の求人を見ると、小規模でも私立保育園でも差がないことが多いです。
参照元:内閣府「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の 経営実態調査集計結果

小規模保育園での仕事内容

実際に小規模保育園での仕事内容について解説します。結論からお伝えすると、小規模保育園での仕事内容は一般的な保育園の仕事内容と変わりません。

食事やトイレのお世話など、子どもに対することはもちろん、保護者とのコミュニケーションやイベントの企画・運営も小規模保育園での仕事です。

施設によって違いはありますが、1日の流れとしては以下のように進みます。

8:00〜9:00登園する子どもの受け入れや健康観察
9:00〜遊び・排泄サポート・おむつ変え
11:30〜昼食
13:00〜午睡・交代で休憩
15:30〜おやつ
16:00〜遊び
17:00〜18:00降園
18:00〜延長保育

やること自体そこまで難しくないように思えるかもしれませんが、常に複数人の子どもを注意して見てないといけないです。子どもに寄り添う以外にも事務的な作業もあり、1日1日が忙しいと言えます。

小規模保育園のメリット

仕事内容としては一般の保育所と特に変わりませんが、では小規模保育園で働くメリットはあるのでしょうか。小規模保育園で働くメリットとしては以下のことが挙げられます。

  • 一人ひとりの子どもに寄り添える
  • 行事は少ない
  • 体力的には負担が軽い
  • 人間関係のストレス軽減
  • 乳児と接するスキルが身につく

一人ひとりの子どもに寄り添える

小規模保育園は保育士の配置人数が一般の保育園よりも多く、施設は狭いため、子ども一人ひとりに目が行き届きやすいです。子どもに目が通りやすくなるので、一人ひとりにしっかりと寄り添った質の高い保育が実現できます。子どもに寄り添った保育がしたい方にとってはメリットです。

小規模保育はマンションの一室など、コンパクトなスペースで行われることが多いので、子ども一人ひとりとの距離は必然的に近くなります。

行事は少ない

小規模保育園の対象は0歳〜2歳の子どもです。そのため、一般的な保育所と比べると大きな行事は少ないです。行事が少ないと言うことは保育士にとっては負担が軽減されるのでメリットと言えます。

行事を行うには、運営はもちろんのこと企画会議が行われます。特に準備では時間を使うため行事が近くなると残業は当たり前です。しかし、行事自体が少なければ、それだけ残業もなくなるので負担は軽減されるでしょう。

体力的には負担が軽い

一般的な保育園だと5歳位の子どもは外で動き回り、保育士さんもそのような子どもの面倒を見ると体力的に負担がかかります。しかし、小規模保育園は0歳〜2歳の子どもなので、激しく動き回ることはありません。そのため保育士の体力的な負担は少ないです。

マンションの一室を使っている保育所もあるので、そもそも園庭はなく子どもと外で遊ぶことはあまりないでしょう。子どもは好きだけど、体力的な負担がきついという方にとっては小規模保育園で働くメリットと言えます。

人間関係のストレスが軽減できる

職員の数が少ないので、職員同士の人間関係も築きやすいのはメリットです。職場での人間関係は連携ミスなどでトラブルがおき、そこから人間関係の悪化に繋がります。しかし、少人数の職場であればわからないことはすぐに相談できて共有できるので、連絡不足におけるトラブルは起こりづらいです。

また、一般的な保育園と比べると保護者対応に使える時間も多いので、保護者との良好な人間関係を築きやすいメリットがあります。

乳児と接するスキルが身につく

0歳〜2歳の乳児と接するには、専門的な知識が必要です。難しさはありますが、その分乳児保育のスペシャリストになれます。乳児の保育に力を入れたい方にはおすすめです。

小規模保育園のデメリット

ここからは逆に、小規模保育園で働く上でのデメリットをご紹介します。デメリットは以下のことが挙げられます。

  • 幅広い経験を得るのが難しい
  • 小規模保育園ならではの重い責任感
  • 人間関係が悪化すると面倒

 幅広い経験を得るのが難しい

小規模保育園だと、0歳〜2歳の少人数の乳児だけであったり、行事が少ないと言うことから、幅広い経験ができないと言うデメリットがあります。3歳以上の活発な子どもがたくさんいる大規模な保育園でないと経験できないこともあります。

見方によっては、小規模保育園は負担が少ないですが、保育士としての将来のキャリアが制限される可能性があります。

小規模保育園ならではの重い責任感

小規模保育園は職員数自体少ないので、一人ひとりにかかる責任感は重くなります。B型やC型の場合は、保育士等の資格を持たない方もいます。資格を持っていなくても知識や経験はありますが、最終的な責任を負うことになるのは資格をもつ保育士です。保育所によっては資格を持っている保育士に仕事が多く回ってくることもあります。

また、外で遊べない場所で保育をしているところもあるので、室内で楽しめるアイデアを考える必要なことも。工夫をこらしたアイデアを考えるのに難しさを感じることもあるのでしょう。

人間関係が悪化すると面倒

職員が少人数である反面、人間関係がこじれてしまうと面倒なのがデメリットです。小規模保育園の場合は、わからないことはすぐに相談できて共有できるので、連絡不足におけるトラブルは起こりづらいのはメリットです。しかしその反面、絶対にトラブルが起こらない訳ではないので、一度人間関係のトラブルが起こると深刻化しやすいです。

人間関係のトラブルはどの職場でも起こりうることですが、小規模保育園のような少人数の職場だと解決しづらいです。

どんな人が小規模保育園に向いてる?

ここまで小規模保育園の特徴やメリット・デメリットについてお伝えしてきました。小規模保育園は0歳〜2歳の乳児を対象とした少人数の保育所です。そのため、乳児教育に興味があって、家庭的な環境で働きたい人に向いています。

また、乳児一人当たりに対する保育士の人数は少ないため、子ども一人ひとりにしっかりと寄り添った保育がしやすいです。子どもに寄り添った保育をしたい人にも向いていると言えます。

まとめ

今回は小規模保育園について解説しました。小規模保育園は少人数ならではの質の高いサービスを提供できる認可事業です。小規模保育園は一般的な保育園と比べると、仕事の負担が軽く、子ども一人ひとりに寄り添うことができるメリットがあります。小規模保育園は0歳〜2歳までの乳児が対象となっており、乳児教育や家庭的保育に興味がある人が向いています。

しかし、一方で得られる経験が少なかったり、小規模保育園ならではの責任感もあります。仕事の負担が少ないと言う理由だけでなく、将来的なキャリアプランを考えて決めましょう。

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この記事を書いた人

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